2021 年 2 月 10 日に ArcGIS Pro 2.7 をリリースしました。
今回は、高度な画像解析機能を提供する ArcGIS Image Analyst エクステンションで使用できるラスター & イメージ関連の新機能をピックアップしてご紹介します。
[変化の検出] ウィザード
[変化の検出] ウィザードは、[画像] タブから下記の 3 つの変化を検出するワークフローをウィザード形式で実行できます。
カテゴリ別の変化: 土地被覆など、2 つの主題ラスターまたはカテゴリ ラスター間で発生した変化を特定
解析例: 2 時期の土地被覆ラスター データセットを使用して、土地被覆の変化を計算し、開発などで植生が失われたエリアを抽出
ピクセル値の変化: 気温やマルチバンド画像など、2 つの連続ラスター間のピクセル値の差を計算
解析例: 2 時期の Landsat 8 画像などのマルチバンド ラスターから植生指数を算出し、差分から極端に植生が失われたエリアを抽出
時系列の変化: 多次元ラスターの時系列における変化が起きた日付を特定し、変化が発生したタイミングやピクセル単位での変化数を計算
解析例: 大気中の有害物質を含む粉塵濃度が格納された多次元ラスターから、時系列で濃度が変化したエリアを計算し、有害物質の濃度変化が大きかった日時の特定や、濃度変化の回数を抽出
また、Image Analyst ツールボックスには [ラスターの変化の計算] ツールが新たに追加されました。
これまでのバージョンで追加された機能を含めると、ArcGIS Pro ではラスター データの変化の解析を、ウィザード、ジオプロセシング ツール、ラスター関数の 3 種類から、目的やスキルに応じて実行することができます。
ディープ ラーニング
[ディープ ラーニング モデルのトレーニング] ツールでは、YOLOv3、FasterRCNN、DeepLab の 3 種類のディープ ラーニング モデルを新たにサポートしています。
また、[ディープ ラーニング用のトレーニング データをエクスポート] ツールでは、マルチラベル分類をサポートしました。1 回の処理で、たとえば「家」、「プールのある家」、「プールとソーラーパネルのある家」をオブジェクト分類できるようになります。
Full Motion Video
タイムライン インジケーター
プロジェクトに追加したビデオ上で、ブックマークの追加やフレームのエクスポート、セグメントの録画など実行したとき、ビデオ プレイヤーのタイムライン下部に該当するアクティビティが行われた範囲を示すインジケーターが作成されるようになりました。
そのほかにも ArcGIS Pro 2.7 では、多くのラスター & イメージ関連の機能が強化されています。詳しくは、ArcGIS Pro 2.7 の新機能 Web ヘルプをご覧ください。
また、3 月 10 日 (水) には、「ArcGIS Pro 2.7 新機能ハイライト ~ArcGIS 活用ウェビナー~」において、新機能についてデモンストレーションを交えてご紹介します。お申し込みの上、是非ご参加ください。
次回の ArcGIS Pro 2.7 新機能紹介記事は、新たにサポートされた GNSS (GPS) デバイスの接続についてご紹介します。
■関連リンク