昨今の ArcGIS 製品のラインナップの拡充や機能拡張に伴い、ArcGIS Online のクレジットを消費することで利用できるアプリやツールが増えてきています。
以前のブログ記事でも、ArcGIS Online のクレジットを賢く利用するコツをお伝えしましたが、今回は「管理者向け」と「ユーザー全員向け」に分けてクレジットを上手に使用する方法を改めてご紹介します。
■管理者向けのコツ
● クレジット使用制限ツールの有効化
[組織] ページ → [設定] → [クレジット] で [クレジット使用制限ツールの有効化] のトグルをオンにすると、組織内の各ユーザー、または全ユーザー一括で使用可能なクレジット数を割り当てることができます。さらに、割り当てたクレジット数に対し各ユーザーが消費したクレジット数を [メンバー] タブで把握できます。
また、[各メンバーの利用可能なクレジットを設定ページに表示] のトグルをオンにすると、ユーザー自身が、プロフィール ページで使用可能なクレジット数を確認できるようになります。
● カスタム ロールの作成
クレジットを消費するツールの意図しない使用を制限するために、特定の権限を持たないロールを作成することができます。カスタム ロールは、[組織] ページ → [設定] → [メンバー ロール] で [ロールの作成] ボタンで作成が可能です。
[プレミアム コンテンツ] 項目内には、住所からポイントを作成する「ジオコーディング」や、到達圏の作成、最寄りの施設検索などで利用できる「ネットワーク解析」など、クレジットを消費する解析ツールを制限できます。
また、[コンテンツ] 項目内では、フィーチャ サービス ストレージのクレジットを消費する下記の機能を制限できます。
– 「作成、更新、および削除」
– 「ホスト フィーチャ レイヤーの公開」
– 「ホスト タイル レイヤーの公開」
– 「ホスト シーン レイヤーの公開」
– 「ホスト タイル イメージ レイヤーの公開」
– 「ホスト ダイナミック イメージ レイヤーの公開」
作成したカスタム ロールは、[メンバー] タブで、特定のユーザーに設定します。
● 組織のクレジット使用状況を把握
[組織] ページの [概要] タブや [ステータス] タブを使用して、メンバーのクレジットの使用状況を監視できます。各ユーザーのある期間のクレジット消費量とその種類を確認したい場合は、一覧を CSV として出力できるレポートの機能を使用すると便利です。
アイテムのストレージに関するクレジットを確認したい場合は、レポート タイプで [アイテム] を選択して出力した CSV ファイルの「File Storage Size」、「Feature Storage Size」の列で、組織内の全アイテムのデータ サイズを確認して、消費しているおおよそのクレジットを計算できます。
また、管理者は、各メンバーが割り当てられたすべてのクレジットを消費したとき、組織がクレジットの 75 % 以上を消費したとき、および組織がすべてのクレジットを消費したときに電子メール通知を受け取ります。クレジットがなくなったら、ESRIジャパン ショップで購入することができます。
■ ユーザー向けのコツ
● 自身が利用可能なクレジット数を確認
管理者がクレジット数を割り当てている場合は、ユーザーはサイン イン後の右上のアイコン → [設定] → [クレジット] タブで、自身が割り当てられているクレジット数と、残りのクレジット数を確認できます。こまめに確認し、計画的にクレジットを消費しましょう。
● 解析実行前に消費クレジットを確認
Map Viewer Classic で解析ツールを実行する前に、[クレジットの表示] ボタンをクリックすると、このツールで消費されるクレジット数を確認できます。クレジットを大量に使いすぎないか、注意しましょう。
● データを整理整頓
保存しているデータをこまめにチェックして、不要なデータは削除するようにしましょう。複雑な形状の境界データや、フィールド数が多いデータなどはサイズが大きくなりがちです。データのサイズは、アイテム詳細ページ下部で確認することが可能です。フィーチャ レイヤーは 10 MB で 2.4 クレジットを 1 か月で消費するため、例えば、下記の 1,040 MB のフィーチャ レイヤーのデータは、
1,040 MB ÷ 10 MB × 2.4 クレジット = 249.6 クレジット
をひと月で消費すると試算できます。
組織で保有するクレジットを計画的に、上手に使いましょう!
■関連リンク
・ArcGIS リソース集:「クレジット」