ArcGIS Runtime SDK バージョン 100.13.0 がリリースされました

ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.13.0 がリリースされました。この記事では、バージョン 100.13.0 で追加された主要な機能や変更点について紹介します。

ArcGIS Runtime ライセンスパックをご購入の方は、2021 年 12 月 16 日以降保守有効なライセンスがアップデート対象となります。

各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容

3D でのベクター タイル レイヤーの表示

これまで、3D でマップを表示する場合、ベースマップはイメージ タイル レイヤーを使用する必要がありました。現在は、米国 Esri 社が公開しているデフォルトのベクター タイル ベースマップだけでなく、ArcGIS Vector Tile Style Editor で作成した独自のスタイルのベクター タイル レイヤーを 3D マップで使用できるようになりました。

ディメンション レイヤー

モバイル マップ パッケージ、モバイル ジオデータベース、ArcGIS Enterprise のサービスからディメンション レイヤーを読み込んで、マップ上に距離測定値を表示、検索することができるようになりました。

表示フィルター

フィーチャ レイヤーの表示フィルター (FeatureLayer.DisplayFilterDefinition) がサポートされました。従来からある定義式 (FeatureLayer.DefinitionExpression) を使用した場合とは異なり、表示フィルターでは非表示としているフィーチャも検索や編集、解析処理等に使用することができます。

条件値

条件値を使用すると、フィーチャの属性の編集を、そのフィーチャの別の属性の値によって制限できます。これはドメインに似ていますが、ドメインは単一の属性のみに適用されます。例えば、フィーチャの属性に車のメーカーと車種が含まれている場合、メーカーが「ホンダ」では、有効なモデルは「シビック」、「アコード」、「CR-V」等になります。ただし、メーカーが「トヨタ」の場合、モデルをこれらの値に設定することはできません。その場合、代わりに「ハイランダー」、「RAV4」、「プリウス」等からのみ選択できます。

これらのルールはフィーチャ テーブルの定義によって提供され、ArcGIS Runtime SDK ではそれらが編集されたデータに正しく適用されていることを検証できます。さらに、特定のフィールドの有効な値を取得し、それらを適用する前に編集内容を検証するためのメソッドが用意されているため、カスタムデータの収集および編集ワークフローに属性ルールを含めることができます。

オフライン ドキュメント

SDK のドキュメント (ガイド、API リファレンス、サンプル、チュートリアル) をダウンロードして、ローカルの Web サーバーに配置することで、インターネット接続なしでドキュメントを使用できるようになりました。

各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容

実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。

ArcGIS Runtime SDK for Android

Simple Logging Facade for Java (SLF4J) のサポート バージョンが 1.7.32 にアップグレードされました。

ArcGIS Runtime SDK for iOS

SDK が ArcGIS.xcframework と Runtimecore.xcframework の 2 つのバイナリ フレームワークとして配布されるようになりました。SDK を手動でダウンロードしてプロジェクトを構成している場合は、新しい Runtimecore.xcframework ファイルもプロジェクト ターゲットのビルド設定の「Frameworks, Libraries, and Embedded Content」セクションに追加する必要があります。

iOS 固有の変更点の詳細は Esri Community の「Announcing ArcGIS Runtime SDK for iOS 100.13」の記事 (英語) でも紹介されていますので、併せてご確認ください。

ArcGIS Runtime SDK for .NET

WinUI 3 のサポート

Windows UI Library (WinUI) 3 によるデスクトップ アプリの開発がサポートされました。ArcGIS Runtime SDK for .NET Project Templates Visual Studio エクステンションには、マップビューを含んだ WinUI ベースのユーザ インタフェースを持つ 2 つの新しい .NET 6 アプリケーション プロジェクト テンプレートが含まれています。

.NET 6 のサポート

WPF または WinUI アプリケーションを開発する際に .NET 6 をサポートするようになりました。.NET 6 が .NET Core/.NET の現在の Long-Term Support リリースであるため、バージョン 100.13  では、ターゲット フレームワークとして .NET Core 3.1 および .NET 5 が非サポートとなりました。

Visual Studio 2022 のサポート

ArcGIS Runtime SDK for .NET Visual Studio エクステンションは Visual Studio 2022 に対応し、Visual Studio の最新ツールやパフォーマンス向上を利用できるようになりました。

メモリ管理の向上

複数のモバイル マップ パッケージの開閉やマップ ビュー・マップ・レイヤーの作成、レイヤーの追加・削除などの処理を繰り返して行った際のメモリ使用量が内部改善によって削減されています。

Local Server

ArcGIS Runtime Local Server もバージョン 100.13 がまもなくリリースされる予定です。ArcGIS Runtime Local Server 100.13 を使用するには ArcGIS Pro 2.9 が必要です (ArcGIS Pro 2.9 は 2022 年 1 月リリース予定です)。

.NET 固有の変更点の詳細は Esri Community の「Announcing ArcGIS Runtime SDK for .NET 100.13」の記事 (英語) でも紹介されていますので、併せてご確認ください。

本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート (英語) をご覧ください。

関連リンク

米国 Esri 社 ブログ

ArcGIS Runtime SDK

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