【Esri Community Blog】
ArcGIS Client API および SDK の製品名称が変更されることになったため、名称変更の概要や変更理由、適用時期についてご紹介します。
本記事は「Introducing the ArcGIS Maps SDKs (esri.com)」を翻訳したものになります。
2022 年 11 月 16 日、Esri European Developer Summit で、12 月からクライアント SDK と API を ArcGIS Maps SDK として統一して提供開始することを発表しました。
この変更は、SDK の共通の目的と機能を反映したものであり、より多くの方々にご利用いただけるようになります。
目次
新しい名称、同じ優れた SDK
12 月に ArcGIS API for JavaScript と ArcGIS Runtime SDK の名称が変更されます。変更後の名称はこのようになります。
現在の名称 | 新しい名称 | |
ArcGIS API for JavaScript | ➡ | ArcGIS Maps SDK for JavaScript |
ArcGIS Runtime SDK for .NET | ➡ | ArcGIS Maps SDK for .NET |
ArcGIS Runtime SDK for Java | ➡ | ArcGIS Maps SDK for Java |
ArcGIS Runtime SDK for Qt | ➡ | ArcGIS Maps SDK for Qt |
名称変更を展開すると、ArcGIS Maps SDK 一式は次のようになります(iOS および Android 用の ArcGIS Runtime SDK は、それぞれ新しく ArcGIS Maps SDK for Swift および Kotlin に変更されることにご注意ください)。
・ArcGIS Maps SDK for JavaScript 4.25
・ArcGIS Maps SDK for .NET 200.0
・ArcGIS Maps SDK for Java 200.0
・ArcGIS Maps SDK for Qt 200.0
・ArcGIS Maps SDK for Swift 200.0 (beta)
・ArcGIS Maps SDK for Kotlin 200.0 (beta)
・ArcGIS Maps SDK for Unity 1.1
・ArcGIS Maps SDK for Unreal Engine 1.1
この変更にはいくつかの理由があります。
共通機能
ArcGIS API for JavaScript、ArcGIS Runtime SDK、および ArcGIS Maps SDK for Game Engines には、多くの共通点があります。
・洗練された API により、データへのアクセス、可視化、編集を容易にします。
・複数のデータフォーマットとサービスをサポートします。
・地理空間データをハイパフォーマンスでパワフルに可視化します。
・地球規模、地域規模での高精度な地理空間データに対応します。
・複数の投影および座標系をサポートします。
・空間データをインメモリで解析・処理するクライアントサイドのジオメトリエンジンです。
・場所の検索、ジオコーディング、ルーティングをサポートします。
・ArcGIS Platform、ArcGIS Online、ArcGIS Enterprise、および ArcGIS Pro の ArcGIS システムとのシームレスな統合をします。
・OAuth や API キーなど、ArcGIS システムのセキュリティ モデルとの統合をします。
そしてもちろん、それぞれがコンセプトガイド、API リファレンス、チュートリアル、サンプル、コミュニティフォーラムを備えた世界トップクラスの SDK であり、Esriサポートによって支えられていることもすでにご存知かと思います。
これらの SDK を 1 つの名称にまとめることで、これらの共通基盤をよりよく反映させることができます。
より多くの人に知ってもらうために
私たちは、最高の SDK を提供できることを誇りに感じており、できるだけ簡単に発見できるようにしたいと思っています。Web で検索したり、パッケージ マネージャを調べたりしても、「ArcGIS」や「Runtime」が新規ユーザーにとって、あまり意味をなさないことが多いのが現実です。SDK の製品名に「Maps」を含めることで、開発者がプロジェクトで位置情報や地図技術を検索・評価する際に、当社の SDK をより簡単に発見していただけるようになります。
1 つの SDK 一式、3 つのグループ
ArcGIS Maps SDK には多くの共通機能がありますが、3 つの異なるグループに分かれており、それぞれ特定の種類のソリューションを構築するために使用されます。
・Web SDKs:Web ブラウザ上で動作するアプリケーションを構築するためのもの。
・Native SDKs:.NET、Java、Qt、Swift、Kotlin を使用して、オンラインまたはオフラインでモバイル、デスクトップ、組み込みデバイスで直接実行するアプリケーションを構築するためのもの。
・Game Engine SDKs:Unity または Unreal Engine を使用して、オンラインまたはオフラインで動作するAR、VR、モバイル、デスクトップデバイス用のアプリを構築するためのもの。
ここでは、上記の SDK グループをどのように参照するかについて、いくつかの注意点を示します。
・ArcGIS Maps SDKs for Native Apps は、ArcGIS Maps SDKs for .NET、Java、Qt、Swift、および Kotlin の簡略表記として使用されます。
・ArcGIS Maps SDK for Game Engines は、ArcGIS Maps SDK for Unity および Unreal Engine の略称として引き続き使用されます。
・ArcGIS Maps SDK for JavaScript は ArcGIS Maps SDK ファミリー唯一の Web SDK であるため、ArcGIS Maps SDK を使用した Web 開発について説明するときは、この SDK の名称を使用します。
何が変わりますか?
この変更は名称のみなので、表記上(たとえばパッケージマネージャーのリスト、ドキュメント、Esri サポートサイトなど)は新しい名称が反映されている場合でも、使用するテクノロジーは変わりません。
さらに、SDK の新しいリリースのみ名称が変更されます(下記参照)。
変わらないものは何ですか?
名称が変更しても、変わらないものがあることを再確認しましょう。
・API/SDK の機能はそのままです。
・名前空間、クラス名、メソッド、プロパティ、インクルード文など、すべて同じままです。
・パッケージマネージャーを使用する場合、同じパッケージを参照し続けることになります。ArcGIS Runtime SDK バイナリにリンクしている場合は、何も変更されません。つまり、当社の API や SDK を参照する方法を変更する必要はありません。
・コーディングパターンは変わりません。APIが変わらないので、使い方が変わることもありません。
‣プロジェクトを新しい Swift および Kotlin SDK に移行する場合、その移行にはコードの変更が伴うことに注意してください(こちらのブログ記事を参照してください)。
・製品サポートレベルおよび製品ライフサイクルに変更はありません。
‣例えば、すべての ArcGIS Runtime SDK の 100.15 リリースは、2024 年 8 月まで新規バージョンサポートが提供され、2027 年 9 月まで利用可能です。
・リリース頻度に変更はありません。
・既存の ArcGIS Runtime ライセンス文字列は、ArcGIS Maps SDK for Native Apps に対しても引き続き有効です。同様に、ArcGIS Online または ArcGIS Enterprise のユーザーに ArcGIS Runtime の機能が割り当てられている場合、ArcGIS Maps SDK for Native Apps で構築したアプリを使用することが可能です。
すでにリリースされている API や SDK のバージョンにどのような影響がありますか。
これは将来的な名称変更になります。既存のリリースには、この名称変更は適用されません。
・ArcGIS API for JavaScript については、4.25 以降で新しい名称が適用されます。ArcGIS API for JavaScript 4.0 – 4.24 および ArcGIS API for JavaScript 3.x のすべてのリリースでは、名称変更は適用されません。
・ArcGIS Runtime SDK については、100.0 から 100.15 までのリリースでは新しい名称は適用されません(100.x SDK の今後のパッチ リリースもこれに含まれます)。200.0 リリース以降、SDK には ArcGIS Maps SDK の名称が適用されます。
‣ArcGIS Runtime SDK for iOS および ArcGIS Runtime SDK for Android は、新しい名称を適用しません。これら 2 つの SDK の最後のリリースは 100.15 の長期サポート リリースで、バージョン 200.0 で新しい ArcGIS Maps SDK for Swift と ArcGIS Maps SDK for Kotlin に置き換えられます(詳しくはこのブログ記事をご覧ください)。
いつ変更されますか?
ArcGIS Maps SDK for Native Apps および ArcGIS Maps SDK for Game Engines の次期バージョンのリリースに伴い、ArcGIS Developers の Web サイトは 12 月に更新される予定です。
Esri Support、Esri Community、およびその他の Web ページ、製品、ダッシュボード、ドキュメントは、2023 年中に新しい名称を適用して更新される予定です。
何かする必要がありますか?
素晴らしいアプリを作り続けるだけです。12 月に名称変更を実施する際には、最新バージョンの SDK を使用することを選択でき、これまで通りアプリケーションのビルドとデプロイを行うことができます。
関連リンク
ESRI ジャパン Web サイト
・ArcGIS API for JavaScript | ESRIジャパン (esrij.com)
・ArcGIS Runtime SDK for .NET | ESRIジャパン (esrij.com)
・ArcGIS Runtime SDK for Android | ESRIジャパン (esrij.com)
・ArcGIS Runtime SDK for iOS | ESRIジャパン (esrij.com)
Esri 社(米国) Web サイト
・ArcGIS API for JavaScript | ArcGIS Developers
・ArcGIS Runtime API for .NET | ArcGIS Developers
・ArcGIS Runtime API for Java | ArcGIS Developers
・ArcGIS Runtime API for Qt | ArcGIS Developers
・ArcGIS Runtime API for Android | ArcGIS Developers
・ArcGIS Runtime API for iOS | ArcGIS Developers
・ArcGIS Maps SDK for Unity | ArcGIS Developers
・ArcGIS Maps SDK for Unreal Engine | ArcGIS Developers