ArcGIS CityEngine 2023.1 をリリースしました!

ArcGIS CityEngine 2023.1 が 2023 年 11 月 30 日 (日本時間 12 月 1 日) にリリースされました。ArcGIS CityEngine 2023.1 では、新しい機能の追加や機能改善が行われています。ここでは、「What’s new in CityEngine 2023.1」を ESRIジャパンが翻訳したものを紹介します。

Visual CGA: ノードベースのプロシージャル モデリング (ベータ版)

ArcGIS CityEngine では、今回のリリースによって Visual CGA Editor を使用することでコードを一行も書くことなく、複雑なルールを素早く構築することが可能になりました。

Visual CGA Editor を使用することで、CGA コンポーネントと呼ばれるビルディング ブロックからノード グラフを対話的に構成できます。Example VCGA Playground プロジェクトには、豊富な Components ライブラリが用意されており、複雑なデザインを構築することができます。また、高度な CGA プログラマーの方は、独自のコンポーネントを書くこともできます。

Visual CGA (VCGA) デザインは、すべての CityEngine ワークフローで利用でき、CGA ルールと同様に使うことができます。

なお、VCGA はベータ版であり、CityEngine の扱いに慣れている方を対象としています。さらに、現時点ではドキュメントがまだないことから使い始める際は、Example VCGA Playground プロジェクトやそれに付随している video tutorials (Visual CGA: First Steps) が役立ちます。

UI: 新しいアイコンとダークテーマの適用

どのような解像度や縮尺でも鮮明に表示し、よりモダンな見た目の UI を提示するアイコンを再設計しました。さらに、CityEngine で作業する際に、ライトテーマとダークテーマを選択できるようになりました。

ダークテーマへの切り替えは、[Edit] メニュー → [Preferences] → [Appearance] より行えます。CityEngine を再起動すると、[Inspector] や [Tool Options] などの各種ダイアログなどの UI が調整されます。ダークテーマでは、Python Editor や CGA Editor において、構文の強調表示時の配色もバランスよく調整します。

ArcGIS Urban との統合: Spaces のインポートと Parcel Inspector の修正

ArcGIS Urban から CityEngine への Spaces のインポートが可能となりました。これにより、ArcGIS Urban にて手動で編集した建物を CityEngine でも正しく表示できるようになりました。各建物は、Spaces を個々の形状として含むグループ レイヤーで表現されます。各形状には、用途を視覚化するルールが割り当てられています。

Urban ルールが Parcels レイヤーに割り当てられなくなりました。必要な場合は、ESRI.lib に用意されています。また、すべてのゾーニング関連プロパティを含む [Zoning] タブが新たに追加されました。Edge 属性が公開されたため、例えば区画エッジの通りの向きを編集できるようになりました。

ArcGIS Urban との統合: 解体エリアをサポート

シナリオのインポートまたは更新時に、解体エリアをサポートしました。コンテキスト ビルディングが調査エリア内にある場合、シナリオ内の別のレイヤーに追加されます。それ以外の場合は、デフォルト オブジェクトに追加されます。また、ArcGIS Urban のシーン レイヤーにホストされているコンテキスト ビルディング用に OSM からの代替データが追加されました。

アクセス可能なプランは、すべて [Navigator] ウィンドウの [ArcGIS Urban] タブに表示されるようになりました。これは、公開されているプランもインポート可能であることを指します。また、インポート速度が大幅に向上するように API クエリを調整しました。

次レベルのコンポーネントの選択とタグ

CGA によるプロシージャル モデリングに欠かせないツールが、コンポーネント分割(comp オペレーション)です。Comp 分割では、多数の組み込みセレクターに基づいてジオメトリをコンポーネントに分割できます。また、複数のセレクターを論理セレクター式で組み合わせることもできます。さらに、コンポーネント タグに新しい概念が追加されました。押し出しやセットバックなどの操作は、生成されたコンポーネントにジオメトリにおいて意味的に異なる部分を識別するタグを設定するようになりました。新しい isTagged() セレクターを使用すると、Comp 分割でコンポーネントを選択する新しい方法が可能になります。従来のセレクターとは対照的に isTagged() は面の法線方向などの幾何学的なプロパティに依存しません。

また、setback オペレーションのセレクターにもすべて適用されます。タグは保存され、ジオメトリを変更する操作によって伝搬されます。初期形状にエッジ タグを設定できるようになったことで、コンテキストを考慮した CGA ルールを記述できる範囲が広がりました。

詳細および例については、CGA リファレンスのジオメトリ タグのセクションをご確認ください。

Get Map Data と OSM のインポート

Web メルカトル図法以外のすべての座標系をサポートすることで、[Get Map Data] で利用可能なベースマップが増えました。

前に実行した [Get Map Data] の設定は現在のセッションに保存されます。そのため値を覚えておく必要はなく、ダイアログを再度開くと、同じ範囲で追加のベースマップをダウンロードしたり、前回の隣の範囲を選択したりすることができます。

また、Roundabout タグをサポートしたことで、OSM の道路データのインポートが改善されました。さらに、[tertiary streets] がインポート ダイアログで事前に選択されるようになり、デフォルトでより完全な道路ネットワークが表示されるようになりました。

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