2 月にワシントン DC で行われた連邦 GIS カンファレンスにて、esri が革新的な製品を開発中であることを公開しました。
「ArcGIS と生成 AI アシスタント」に関してです。
GeoAI とは?
GeoAI とは、地理空間データと人工知能(AI)または機械学習(ML)を組み合わせた技術の分野です。地理空間データは、地理情報システム(GIS)や位置情報テクノロジーを通じて収集、管理、分析されるデータであり、地球上の地理的な位置に関連する情報を含んでいます。
GeoAI は、地理空間データを利用して AI や ML アルゴリズムを適用し、地理的な問題の理解、予測、および意思決定を支援します。これにより、地理空間データから洞察を得ることが可能になり、地理的なパターンやトレンドを発見し、地理的なリスクを評価し、地理的なリソースの最適な利用を計画することができます。
具体的な応用例としては、地形や土地利用パターンを解析して洪水リスクを評価する、衛星画像やドローン画像を使用して地表の変化をモニタリングする、地理的な属性を活用して都市交通の最適化を行う、などがあります。 GeoAI は、環境、都市計画、農業、災害管理、交通、不動産、保健など、さまざまな分野で幅広く活用されています。
AI アシスタントとは、ArcGIS の活用をより拡張していきます。AI アシスタントを活用することで、意図を理解したり、洞察を得たり、GIS タスクを実行したり、GIS コンテンツを生成したりできます。
AI アシスタントと ArcGIS との統合
通常は、データを作成し、サービス公開して、マップの作成、アプリの作成へと順序だてて GIS の業務を遂行します。 AI アシスタントでは、あらかじめ学習したトレーニング、ユーザーが入力したり指示したりするプロンプト、テキストを読んだり生成したりする能力に長けている大規模言語モデル(LLM)などから成るエージェントが、サービスの公開からマップの作成、アプリの作成などを代行して行っていきます。
連邦 GIS カンファレンスでは、ArcGIS Hub、Survey123、ArcGIS System の 3 つの製品の調査研究状況が紹介されました。
ArcGIS Hub と生成 AI
ここでは ArcGIS Hub のデモを紹介したいと思います。
ArcGIS Hub を用いてエージェントに問いかけてみます。「ごみはいつ収集されますか?」 すると AI は、Trash Pickup Days というコンテンツの存在に言及します。
次に 800 east capitol st ne という場所をチェックするように命じます。
AI は800 east capitol st ne という場所をジオコーディングして地図表示し、ごみ回収の曜日が月曜から火曜であると告げます。
次に、ワシントン DC に木が何本あるか尋ねてみます。 すると AI は 210,368 本の木があると回答します。
コンベンションセンター近辺にある木の地図を生成して、と AI に頼みます。
すると AI はコンベンションセンター近辺にある木の地図を生成します。
次に自分が木を植えることを誰が手伝ってくれるか?と聞いてみます。
すると木を植えることを手伝ってくれそうな一人をリストアップしてくれます。
Survey123 と生成 AI
次に Survey123 において「洪水による被害評価のレポート生成のための調査を作成して」と頼んでみます。
すると API は調査項目をリスト化して、Survey123 にて調査票を作成してくれます。
AI アシスタント
次に AI アシスタントの紹介をします。
「嵐のためのデータセットは何かないですか?」と問合せします。
すると AI は Living Atlas を検索中と返し、嵐のために 10 個のアイテムが見つかった、と返します。
USA の嵐のレポートレイヤーを使って、アメリカのどこで被害が発生しているか尋ねてみます。
AI は嵐のレイヤーを地図に追加し、ヒートマップを使って密度分布で表示します。
さらに被害がどこで起きているのか分析します。
さらに嵐の被害が年々増えていっているか聞いてみます。
被害状況を分析して、アメリカの嵐の被害傾向をグラフにして表示してくれます。
これらの傾向を地図にできますか?と問合せしてみると、嵐の傾向を地図表示してくれます。
ハリケーンの経路にサプライチェーンのどんな供給組織があるか?尋ねています。
AI は影響のあるサプライヤーとネットワークを表示してくれます。
「あなたのすべきことは、尋ねることだけです。」と最後に締めくくられています。
いかがでしたでしょうか?
ArcGIS の中で AI を活用していくことで日々の業務に劇的な変化が生まれる可能性を秘めております。
今後も AI と esri の調査研究状況などを報告していきたいと思います。