ArcGIS Maps SDK for JavaScript の最新バージョン 4.27 をリリースしました。
以下では、ArcGIS Maps SDK for JavaScript バージョン 4.27 の主な新機能・機能拡張をご紹介します。
目次
バージョン4.27
関連レコードの編集
リレーションシップ データを Editor ウィジェット、Map Viewerのオーサリング エクスペリエンスから直接、または API を使用してプログラムで編集することができるようになりました。新たに追加されたリレーションシップ要素は、フォーム テンプレート内でリレーションシップを設定することができ、フォームがオーサリングされると Editor ウィジェットにて自動的に認識されます。
フィーチャ間およびテーブル間のリレーションシップの編集を含む追加の機能拡張は、将来のリリースで予定されています。
初期読み込みの高速化
リリースのたびに、さまざまな方法でパフォーマンスの最適化に取り組んでいます。今回のアップデートでは、最初に地図を読み込み、オンデマンドでポップアップを読み込むことで、API の初期ロードサイズを削減しました。
なぜ、ポップアップを初期負荷の最適化の対象にしたのか?
ポップアップは非常に強力であるため、様々なモジュールに依存しています。これらの依存関係は非常に大きく、MapView の初期ロードサイズの 50% 近くを占めていました。ポップアップのロードを延期することで、より速く Map をロードし、必要なときにポップアップの機能を提供することができるようになりました。
コードの更新が必要な場合があります。
ほとんどの場合、この改善を利用するために変更は必要ありません。しかし、view.popup がロードされる前に参照している場合、いくつかの問題に遭遇する可能性があります。詳しくは、リリースノートの Breaking Changes をご確認ください。
シーン レイヤーの編集
新しいシーン レイヤー編集機能(ベータ版公開)を使って、Webを通じて 3D コンテンツをアップロードして共有することができます。様々なフォーマットの 3D モデルをアップロードし、すぐに使えるEditorウィジェットのワークフローを使用して配置することができます。例えば、3D オブジェクトのシーン レイヤーにある建物は、Web 上で直接追加・更新・削除が可能です。この機能は、2023年 6月に行われた ArcGIS Onlineのアップデートで新たにモデル形式の変換機能が追加されました。
Sketchツールと SketchViewModel を使用して、シンプルなアップロードから編集前の Mesh ジオメトリの変換まで、カスタム ワークフローを作成することができます。SceneLayer.applyEdits は、以前のリリースで既に属性の更新をサポートしていました。本リリースでは、3D モデルのアップロードによるジオメトリの更新に対応しました。
詳しくは、リリース ノートをご覧ください。
3D ベースマップ
3D ベースマップの概念を導入することで、シーンに 3D のコンテキストとスタイルを簡単に追加することができます。また、3D アプリケーションで使用する場合、BasemapGallery ウィジェット内の 2D ベースマップと一緒に 3D ベースマップのオプションをエンドユーザーに提供します。
新しい 3D 地形ベースマップ(6 月の ArcGIS Online リリースでベータ版をリリース)には、グローバルに利用可能な建物、木、ラベルが含まれています。また、アイテム ID を参照することで、プログラムによって 3D 地形ベースマップ ポータル アイテムを読み込むことができます。
ベースマップ ギャラリーのサンプルや Scene Viewer で、新しい 3D ベースマップをお試しください。
ストリーム レイヤーの作成と保存
ArcGIS Online の 2023 年 6 月のアップデートでは、Map Viewer でストリーム レイヤーのスタイルを設定し、それを Web マップに保存してアプリで簡単に読み込むことができます。
他のレイヤー同様、データ ドリブンなスタイリング、ブレンドやエフェクトの使用、空間フィルターや属性フィルターの作成、Map Viewerで既に使い慣れた様々なツールの活用により、ストリーム レイヤーを思い通りに作成することができます。
また、ストリーム レイヤーを Web マップに保存することも含め、このすべてを JavaScript のコードで行うことができます。
シンボル ビルダー
新しく更新されたシンボル ビルダーは、WYSIWYG(what-you-see-is-what-you-get)で 2D や 3D のシンボルを設定し、対応するコードをコピーしてアプリに貼り付けることができるようにしました。シンボル ビルダーは、Calcite Components、React、JavaScript Maps SDK で構築されており、現在はサポート終了した Symbol Playground の代わりとなるものです。
3D でより良いラベリング
3D のラベリングでは、フォント サイズの優先ルール、カスタム フォントの統合、遷移、そして全体的なビジュアライゼーションを改善しました。フォントが大きいラベルは小さいラベルよりも優先され、ラベルの視認性や画面距離などに基づく既存の優先順位付けルールはそのまま適用されます。シーン ビューで、カスタム CSSを使わずに静的リソースから読み込まれるカスタム フォントをサポートするようになりました。
3Dレンダリングの強化
すべてのデバイスで、誰もが高画質なビジュアルをデフォルトで楽しめるようになりました。デフォルトの雰囲気を改善し、影のあるシーンをより少ないメモリ使用量で高速にレンダリングするようにしました。レンダリング効果は、現在のアクティビティに応じて自動的に調整されます。シーンを探索する際には、流動的なインタラクションを実現するために、従来と同様の品質でレンダリングします。カメラが止まっているときは、より高画質なビジュアルを追加して、最高のクオリティでお届けします。
SceneView.qualityProfile をデフォルトに設定することで、リアルな水のビジュアライゼーション サンプルがどのように改善されるかをご確認ください
Features ウィジェット
新しい Features ウィジェット(ベータ版としてリリース)は、Popup と同様の外観と動作をしますが、Popupとは異なり、Features ウィジェットはビューの外側などアプリケーションのどの部分にでも配置することが可能です。属性やメディア要素などのポップアップ テンプレート形式のコンテンツや、アクション、関連レコード、ボタンなどの UI を操作して、選択した複数のフィーチャを段階的に操作することができます。
Feature ウィジェットはどうでしょうか?4.7 から SDK で利用できるようになった Feature ウィジェットをすでに利用されている方も多いかと思います。このウィジェットは Features ウィジェットに似ていますが、1つの Feature からフォーマットされたコンテンツのみを表示し、上記の UI の残りの部分(アクション、関連レコードなど)は含まれません。
ValuePicker ウィジェット
ValuePicker は、スリムで柔軟なウィジェットで、ユーザーは値のリストを順に切り替えまたは再生することができます。メディア プレーヤーのように、「次へ」「前へ」ボタンを使ってインタラクティブに値の切り替えや、あらかじめ設定された間隔で自動的に順序付けられたリストを再生するように設定することができます。データを表示するために、オプションで以下の UI コンポーネントを含めることができます。
ドロップダウンで値を指定するコンボボックス
現在値を表示するシンプルなラベル
値の範囲を表示するスライダー
近傍検索
新しい places クラス(ベータ版リリース)を使って、地理的なポイントから検索距離内にある近くの POIを見つけたり、特定の場所についての詳細情報(名前、カテゴリ、住所、連絡先など)を検索したりすることができます。POI(Point of Interest)とは、世界中で発見できるビジネスや地理的な位置のことです。プレイス サービスでは、人々が自分の周りの場所を発見し、場所を特定し、より深く学ぶことを支援する強力なアプリケーションを構築することができます。詳しくは、Find nearby places and details のサンプルをご確認ください。
Expand ウィジェットの Calcite アイコン
Expand ウィジェットで Calcite のアイコンをサポートするようにしました。これにより、アイコンの名前を参照するだけで、Expand ウィジェットで使用できる 800 以上のアイコンを利用することができます。
ポップアップ デザインのアップデート
本リリースでは、ポップアップのフィーチャのページ分けのエクスペリエンスを改善し、フィーチャ メニューボタンの新しいアイコンと、フィーチャのページ分け用のボタンの更新を行いました。メディア コンテンツのページ分けが更新され、図表や画像のための横方向のスペースが増えました。ポップアップ チャートでは、ツールチップの色に合わせた新しいデフォルト カラーが追加され、インタラクションのエクスペリエンスが向上しました。
もっと詳しく
このリリースにおけるアップデートの詳細については、リリース ノートをご覧いただき、バージョン 4.27のサンプルで新機能をお試しください。
関連リンク
米国 Esri 社 ArcGIS ブログ
ESRI ジャパン Web サイト
米国 Esri 社 Web サイト