ArcGIS Online (2025 年 6 月アップデート) の新機能

アイキャッチ画像 (ArcGIS Online)

2025 年 6 月 25 日 (日本時間 2025 年 6 月 26 日) に、クラウド GIS である ArcGIS Online がアップデートしました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。

Map Viewer

ドラッグ&ドロップによるレイヤー追加

ファイルのドラッグ&ドロップ機能を使用してレイヤーを追加できるようになりました。ファイルをマップ上に直接ドラッグ&ドロップすることで、新しいアイテムが作成されます。

マップの共有

マップへのリンクのコピーを使用して、現在の表示範囲を保持した状態でマップを簡単に共有できるようになりました。

また、パブリックに共有されたマップを HTML コードで埋め込む際に、マップの縮尺を保持するオプションを利用できるようになりました。これにより、プレビュー時の縮尺でマップが表示され、デバイス間でフィーチャの相対的なサイズが維持されます。縮尺を保持しない場合は、プレビュー範囲内のフィーチャが表示されるように縮尺が変化します。

スパイク テーマ

スマート マッピングに新しくスパイク テーマが追加されました。数と量 (サイズ) のスタイルで利用できるテーマで、数値を高さで視覚化できます。上向きに突き出たスパイクが値を表し、スパイクが小さいほど値が小さく、スパイクが高いほど値が大きいことを示します。形状やグラデーションのパターンなど、詳細な設定も可能です。

表示範囲に基づくスタイル設定

デフォルトでは、レイヤーにスタイルを適用する際、シンボル化する値はレイヤーの全範囲が考慮されます。本アップデートで、スタイルの範囲をレイヤーの全範囲に基づくか、現在のマップ範囲に基づくかを選択できるようになりました。たとえば、全国規模のデータを扱いながら、地域に特化したマップを作成し、地域のデータの特徴を強調する際に活用できます。

編集機能の強化

フィーチャの編集時に、矩形選択ツールやなげなわ選択ツールを使用して、複数のフィーチャを選択できるようになりました。複数選択により、フィーチャの一括削除、属性の一括更新、複数フィーチャの同時移動が可能となります。

ModelBuilder

これまでベータ版として提供していた ModelBuilder が正式版になりました。また、次のような機能が追加されています。

  • 属性によるフィルター ツール – モデル内で属性条件を指定して、データをフィルターします。
  • 表示専用モード – モデルの内容を、セッションを開始したりクレジットを消費したりすることなく確認できます。
  • 入力データ変数の更新 – モデル内の入力データ変数を、別のホスト フィーチャ レイヤー/テーブルに差し替えることができます。

Scene Viewer

フォーカス エリア

シーンにフォーカス エリアを追加することで、プロジェクトの対象地域を強調できるようになりました。対象地域の内側は詳細が際立つように表示され、外側は背景としてフェードアウトされます。これにより、視聴者の注意を適切な場所に誘導し、作業内容を効果的に際立たせることができます。

スライスとポップアップを使用したプレゼンテーション

シーンをより多くの人にわかりやすく伝えるために活用できるプレゼンテーションで、ポップアップや 3D スライスを含むスライドをキャプチャーできるようになりました。これにより、シーン内やその下にある情報を表示して、重要な内容を表示することができます。

ユーザー タイプの更新

ArcGIS は、あらゆる種類のデータを作成・管理・解析・マッピング・共有できる包括的な地理空間プラットフォームであり、ユーザー タイプを通じて、各機能にアクセスできます。本アップデートにおいて、ユーザー タイプが更新され、より多くの機能、アプリ、サービスを利用可能になりました。以下の製品が、各ユーザー タイプに新しく追加されています。

  • ArcGIS Business Analyst Web App Standard – 意思決定のための人口統計解析を可能にする商圏分析 GIS アプリケーションが Creator、Professional、Professional Plus ユーザー タイプに含まれます。
  • ArcGIS CityEngine – 3D 都市設計ソフトウェアが Professional ユーザー タイプに含まれます (従来より Professional Plus ユーザー タイプには含まれています)。
  • ArcGIS Urban – コミュニティー、都市、地域向けの 3D シナリオ モデリングと影響評価機能が Professional Plus ユーザー タイプに含まれます。

管理

アイテム ページの改善

アイテム ページが改善され、ArcGIS Online の他の部分とスタイルが統一されました。これまで概要タブでスクロールが必要だった長いメニューやセクションは、折りたたみ可能なセクションにまとめられました。矢印をクリックすることで、各セクションを開閉できます。

データ タブの更新

ホスト フィーチャ レイヤーおよびホスト テーブルのアイテム ページにある [データ] タブが更新されました。主な更新内容は以下です。

  • [データの更新] ボタン – [データ] タブから直接、データの追加や更新を行えます。
  • 計算式の定義 – テーブル ビューやフィールド ビューの複数の場所から、計算式を定義するオプションが利用可能になりました。
  • 用語の変更 – 「値リスト」と「範囲」は、それぞれ「リスト ドメイン」と「範囲ドメイン」に名称変更され、ArcGIS Pro の用語と統一されました。

カスタム サインイン

組織登録済みアプリ向けに、カスタム サインイン画面を構成できるようになりました。カテゴリー別にサイン インの種類を設定することもでき、アプリ利用者や組織メンバーのサインイン オプションをより柔軟に整理・管理できます。

ArcGIS Instant Apps

ArcGIS Instant Apps は、次世代の Web マッピング アプリケーションであり、高速モードまたはフル セットアップ モードを使用して迅速かつ容易にアプリケーションを構築できます。

ベーシック テンプレート

従来のベーシック テンプレートとメディア マップ テンプレートが統合され、ベーシック (メディア マップ) テンプレートになりました。スケッチ ツールやスワイプ機能など、それぞれの機能が統合されています。

マネージャー テンプレート、サイドバー テンプレート

両テンプレートで、属性の一括編集が可能になりました。

詳細およびその他の新機能は後日、本ブログにてご紹介します。

ArcGIS Experience Builder

ArcGIS Experience Builder では、スクロール ページや複数ページなど、柔軟なデザイン構成の Web アプリをノーコードで素早く構築できます。

Autodesk Construction Cloud との連携

Autodesk Construction Cloud (ACC) からの AEC データとの統合をサポートする 3 つのウィジェットが追加されました。

  • ドキュメント エクスプローラー
  • ドキュメント ビューアー
  • リンク エクスプローラー

これらのウィジェットにより、BIM モデル、CAD 図面、関連ドキュメントをカスタム Web アプリを通じて多様な方法で活用できます。

Arcade 式のサポート

Arcade を使用して、データ ソースの追加や、動的なコンテンツおよびスタイルの表示が可能になりました。

詳細およびその他の新機能は後日、本ブログにてご紹介します。

ArcGIS Dashboards

ArcGIS Dashboards は、直感的かつインタラクティブなデータ ビジュアライゼーションを使用して、位置を含む情報を簡潔に伝えることができます。ダッシュボードは、意思決定、トレンドの可視化、リアルタイムの状況把握、コミュニティーへの情報提供などに利用されています。

ヘッダーのスタイル設定

ヘッダーのテキストに対してフォント、フォントサイズ、文字色、前景色をカスタマイズできるようになりました。ダッシュボード内の要素、サイドバー、スプラッシュ画面、情報ウィンドウなどでも同様に設定できます。

日付型フィールド

以下の新しい日付フィールド型がサポートされるようになりました:

  • 日付のみ (EsriFieldTypeDateOnly) – 日、月、年を保存
  • 時刻のみ (EsriFieldTypeTimeOnly) – 時刻の値を保存
  • タイムスタンプ オフセット (EsriFieldTypeTimestampOffset) – UTC オフセット情報を含む日付と時刻の値を保存

その他の新機能はヘルプをご参照ください。

注) バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ (インターネット一時ファイル) を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。

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