ArcGIS API for Python の最新バージョン 2.4.3 を 2026 年 3 月 31 日 (日本時間 2026 年 4 月 1 日) にリリースしました。 本記事ではアップデートされた主な内容をご紹介いたします。
目次
arcgis.apps.dashboards モジュール
新しいダッシュボード環境への移行の一環として、従来の ArcGIS Dashboards モジュール (arcgis.apps.dashboard) はコード ベースおよびドキュメントから削除されました。このモジュールを参照している既存のスクリプトがある場合は、すぐに更新されたダッシュボード ツールへの移行計画を立てる必要があります。
新しい arcgis.apps.dashboards モジュールのおかげで、バージョン 2.4.3 ではダッシュボードの複製や移行が大幅にスムーズになりました。ここでは、ダッシュボードのコンテンツ内のアイテムの依存関係を管理することに重点を置いています。これにより、特にレイヤーやフィールド、その他の参照コンテンツなど、ダッシュボードの動作に不可欠な要素を確実に引き継ぐ必要がある場合でも、より安心して複製を行うことができます。

arcgis.ai モジュールによる機能拡張
今回のリリースでは、画像およびテキスト分析機能を API 内のより専用の領域に統合する新しいモジュール「arcgis.ai」が導入されました。ノートブックで AI の実験を行っている場合や、再現性のあるパイプラインを構築している場合、このモジュールは、探索段階から運用ワークフローへの移行を支援するように設計されています。この新しいモジュールは、画像およびテキスト分析ワークフローを扱うための高レベルなヘルパーを追加し、翻訳機能のサポートも導入することで、Python API の組み込み AI 機能を拡張します。 例えば、開発者はこのモジュールを使用して、テキストの翻訳、画像の分析、文書の要約、テキストの抽出などを行い、手作業を自動化された GIS ワークフローに変えることができます。arcgis.ai モジュールは現在、まだベータ版である ArcGIS Online サービスに依存しており、今後のリリースで正式リリースに移行する予定です。また、将来的にこれらのサービスがベータ版から正式リリースに移行した際には、arcgis.ai モジュールを介して行われるトランザクションに対して、ArcGIS Online のクレジットが消費される可能性があります。

ラスター関数の機能強化
このリリースでは、画像およびラスター中心のワークフロー向けに、arcgis.raster.analytics に新機能が追加されました。これには、スペクトル分析ワークフローや画像の異常検出をサポートするツールが含まれます。「Build Multidimensional Info」関数を使用すると、複数の時間、深度、または高度にわたるコレクションから画像キューブを作成できます。これらの追加機能により、自動化環境内で Python を直接使用して、画像から検出、測定、および導出できる情報の幅が広がります。

管理業務のワークフロー改善
また、今回のリリースでは、管理ワークフローのさらなる改善にも取り組んでいます。arcgis.gis.admin モジュールの更新により、特に Kubernetes 上の ArcGIS Enterprise 向けに新しいクラスや関数が追加されました。これにより、デプロイメントの規模拡大や運用成熟に伴う、一般的な管理タスクを Python でより直接的に処理できるようになります。
SDKドキュメント
新たに追加されたガイドやサンプルでは、今後の変更やプラットフォームの新機能に合わせてスクリプトやワークフローを最適化する方法を紹介しています。これには、DeveloperCredentialManager クラスを活用した開発者向けの認証に関するガイダンスの拡充、ArcGIS アプリケーション向けの管理およびアプリに特化した手順書の更新、新しい arcgis.apps.dashboards の機能、そして ArcGIS StoryMaps(StoryMaps の複製・編集に加え、Briefings や Collections の概要)などが含まれます。
対応プラットフォームの更新
- Python バージョン 3.13 (セカンダリー サポートとしてバージョン 3.10, 3.11, 3.12, 3.14)
- Conda または PyPI を通じて利用可能なスタンドアロンの Python 環境
- Esri 製品とそのバージョン※
- ArcGIS Pro 3.7 以上のデフォルト環境とクローン環境
- ArcGIS Enterprise 12.1 以上 (ノートブック ランタイムに含まれる)
- ArcGIS Online 2026 年 6 月アップデート
※ ArcGIS Pro 3.7 は今夏頃リリース予定、ArcGIS Enterprise 12.1 は 2026 年 5 月下旬頃にリリース予定です。
おわりに
API に関するサポートやフィードバックの共有に役立つ優れたリソースが利用可能ですので、ぜひご活用ください。ArcGIS API for Python の Esri コミュニティ ページでは、具体的な質問や機能強化・改善に関する提案、他のユーザーとの交流、最新のブログ記事の閲覧が可能です。また、ArcGIS API for Python の公開 GitHub リポジトリーでは、バグ報告、機能強化のリクエスト、その他の問題の報告を行うことができます。チームはこれらのページを積極的に監視しており、皆様からのフィードバックや提案を大変ありがたく思っております。これらは今後の API 開発における優先順位を決定する上で重要な指針となります。ぜひご意見をお寄せください。
本記事でご紹介したアップデートの他にも機能の更新や不具合の修正等が行われています。新機能や不具合修正等の詳細は、「リリース ノート」をご参照ください。
関連リンク
ESRIジャパン Web サイト:
米国 Esri 社 Web サイト:
米国 Esri 社 ArcGIS Blog:
