ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 3.6 をリリースしました。今回のバージョンアップでは、新しいウィジェットの追加に加え、前バージョンにおいて一部のクラスでサポートされていた .on() スタイルによるイベント実装が全てのクラスでサポートされるなど、ArcGIS API for JavaScript の Dojo 2.0 への移行がバージョンアップごとに進んでいます。Dojo 2.0 の詳細は以下をご参照ください。
Dojo 2.0 と AMD(Asynchronous Module Definition)
ArcGIS API for JavaScript は Dojo という JavaScript ツールキットをもとに作成されています。この Dojo は Dojo 1.7 より AMD(Asynchronous Module Definition)と呼ばれる非同期に読み込み可能なモジュールの定義方法が新しく導入されました。Dojo ならびに ArcGIS API for JavaScript では機能ごとにコードが分割され、モジュール化されています。AMD を採用することによって、ArcGIS API for JavaScript のアプリケーションは使用する機能のモジュールを非同期で読み込むため、ユーザは読み込みの処理を待たされることがありません。これはモジュールのサイズが大きくなるほど、パフォーマンスに与える影響が大きくなります。詳細はこちら(英語ページ)をご参照ください。
将来的には、Dojo 2.0 において AMD が標準の仕様となり、従来の Dojo のスタイルは廃止が予定されています。また、コードの書き方も AMD の採用により一部変更が必要となります。現状では AMD と従来のスタイルの両方に対応していますが、これから開発を始められる方には AMD の採用を推奨します。
■バージョン 3.6 更新情報
ライブラリの URL が新しくなりました
ArcGIS API for JavaScript のライブラリの参照 URL が以下のように変わりました。
<変更前>
http://serverapi.arcgisonline.com/jsapi/arcgis/<バージョン>/
<変更後>
http://js.arcgis.com/<バージョン>/
バージョン 3.0 以降であれば、上記の URL の <バージョン> を特定のバージョンに書き換えて利用することができます。従来の “serverapi.arcgisonline.com” ドメインの URL はバージョン 3.5 以前であれば続けて使用することができますが、新しいドメインの URL への移行を推奨します。
Histogram Time Slider ウィジェット
Histogram Time Slider ウィジェットは、時間データを持つレイヤに対して時間単位ごとのフィーチャ数をヒストグラムで表示します。また、ヒストグラム下のスライダを操作することで、指定した期間内に存在しているフィーチャのみを抽出して表示することも可能です。
.on() スタイル イベントを全てのクラスがサポート
Dojo 2.0 におけるコアのモジュールに含まれる予定となっている dojo/on モジュールが提供する .on() スタイルによるイベント実装が、本バージョンより全てのクラスでサポートされています。dojo/on モジュールは従来の dojo.connect あるいは dojo/_base/connect に比べて軽量なモジュールとなっています。.on() スタイル イベントの詳細はこちら(英語ページ)をご参照ください。
AMD 版のスタートアップ/プログラミング ガイド公開
ArcGIS API for JavaScript の基本的な開発手順の流れをご紹介しているスタートアップ ガイドと主要機能の実装方法を解説しているプログラミング ガイドの AMD 版を公開しました。こちらよりダウンロードいただけます。
※ プログラミング ガイドのダウンロードにはEsri 製品サポート サイトへのログインが必要です。
その他の更新情報や新機能については、ArcGIS for Developers の What’s New in version 3.6(英語ページ)をご参照ください。
■関連リンク
ESRIジャパン Web サイト:
・ArcGIS API for JavaScript:http://www.esrij.com/products/arcgis/developer/arcgis-web-mapping/arcgis-api-for-javascript/
Esri 社(米国)Web サイト:
・ArcGIS API for JavaScript:https://developers.arcgis.com/en/javascript/