ArcGIS Business Analyst Pro 3.4 をリリースしました。

ArcGIS Pro をベースにした商圏分析・エリアマーケティング特化型アプリケーション「ArcGIS Business Analyst Pro」(以下、BA Pro) の最新バージョン 3.4 を 2025 年 1 月 30 日 (米国時間)(2025 年 1 月 31 日 (日本時間)) にリリースしました。 本記事では BA Pro 3.4 の新機能および機能強化をご紹介します。

主な新機能・機能強化

商圏データのベンチマーク比較

人口統計データを商圏ごとに集計し、集計値や商圏内の属性 (例:売上高、売上数) をテーブル形式で比較する機能を追加しました。この機能により、商圏間の属性や人口統計データの比較結果を簡単に把握できるようになりました。

商圏ごとの集計結果をテーブル上で表示するだけでなく、特定の商圏や商圏全体の平均値などをベンチマーク (比較基準) として設定し、その差をテーブル上で確認できます。

たとえば、山手線の各駅を中心とした 500m 圏内の事業所数を集計項目として設定し、渋谷駅を基準に比較します。これにより、各駅の事業所数が渋谷駅より多いか少ないかを簡単に判断できます。

また、本機能は、[ビジネス解析] タブの [ベンチマーク比較] から実行できます。

適合性解析の機能強化

ターゲット サイトの設定

適合性解析に、指定したターゲット サイトの条件値に近いほど高スコアとなる [ターゲット サイトの設定] オプションを追加しました。たとえば、本オプションを活用して、業績の良い既存店商圏をターゲット サイトに設定することで、類似した出店候補地を抽出することができます。

適合性解析の設定ワークフローの強化

適合性解析で使用する条件(商圏内の人口統計データ、属性、ポイントデータの集計値など)の影響度や重み付け、スコアの計算方法、スコア計算時のシンボルを、すべて同じウィンドウ上で設定できるようになりました。

結果パネル機能の追加 

適合性解析で計算した商圏のスコアをマップと連動して対話的に確認できるようになりました。また、各条件のスコアの関係性についてチャート形式で確認することができます。

カラー コード レイヤーの機能強化

日本国内および海外の統計データを含むオンラインデータを使用する際に、カラー コード レイヤーの機能を集約した [シンボル] ウィンドウを追加しました。このウィンドウでは、表示する変数やシンボルの変更、区画レベル、対象地域の編集を一括して行うことができます。

さらに、ローカル データセットやオンライン データのアメリカヨーロッパ (ベータ版) を使用する場合、六角形グリッドでのマッピングが可能になりました。

また、結果パネル機能を追加し、対象地域の統計データの階級や上位 / 下位の場所をマップと連動して視覚的に把握できるようになりました。

データ ブラウザーの刷新

データ変数を分類・表示するデータブラウザーの UI を刷新し、ユーザビリティを向上させました。

テリトリーデザインの機能強化

テリトリー内の制限値と集計値の可視化

事前に設定した属性の制限値と各テリトリー内の集計値をチャートで表示できるようになりました。また、設定した制限値に違反する場合は警告が表示されるようになり、テリトリーを調整する際に問題がないかすぐに確認できます。

テリトリー変更機能の強化

あらかじめ選択したテリトリーのベース フィーチャから、変更したいテリトリーに右クリックでドラッグ & ドロップをすることで、簡単にテリトリーを変更できるようになりました。

[テリトリー変更] ウィンドウのフィルター機能

選択したテリトリーに隣接するテリトリーのみを [テリトリーの変更] ウィンドウ上に表示するフィルター機能を追加しました。下図の場合、選択したテリトリーに隣接する計 3 種類のテリトリーのみが表示されます。

おわりに

今回のリリースでは、新機能ベンチマーク比較をはじめ、様々な機能強化を実施しました。ぜひ最新バージョンである BA Pro 3.4 をご使用いただき、エリア マーケティング業務にご活用ください。

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