前回記事(ArcMap での業務効率化!?サポートスタッフの教える簡単カスタマイズ ①)に引き続き、誰でも簡単にできる ArcMap(ArcGIS for Desktop)のカスタマイズ方法をご紹介します。
今回の記事では、ArcMap の人気の機能のひとつ、図郭ごとに地図を切り出せる「データ ドリブン ページ」を例に、ツールバーをカスタマイズしていきます。
まずはデータ ドリブン ページを使用する際のワークフローを簡単に確認しましょう。
・ 図郭線(グリッド)の作成
・ データ ドリブン ページの有効化
・ マップを PDF に出力
データ ドリブン ページを使用する際のワークフローは大きく 3 つの手順に分けられます。それでは、上のワークフローに沿ったツールバーをカスタマイズしてみましょう。
0. はじめに
これから新しくツールバーを作成していきますが、ArcMap のデフォルトの設定では、作成したツールバーはマップ ドキュメント(.mxd)に保存されます。マップ ドキュメントに関わらず作成したツールを使用したい場合は [メニューバー] の [カスタマイズ] → [カスタマイズ モード] と選択し、[オプション] タブの、[ドキュメント内に新しいツールバーとメニューを作成] のチェックを外してください。
1. 新規ツールバーの作成
まずはカスタマイズしていく、新しいツールバーを用意しましょう。ツールバーを新しく作成するには [ユーザー設定] ダイアログの [ツールバー] タブから [新規作成] をクリックします。
ツールバーの名前は適宜設定をしてください。
新しくツールバーが作成されましたが、まだ何も機能を追加していない状態なので、のようになっています。
それでは、新しく作成したツールバーに機能を追加していきましょう。
2. ツールバーに機能を追加
ツールバーへの機能の追加は [ユーザー設定] ダイアログの [コマンド] タブから行います。
[カテゴリ] や [次を含むコマンドを表示] を使用して追加したいコマンドを探します。
追加したいコマンドが見つかったら、ドラッグ・アンド・ドロップで追加していきます。
同じ要領で、必要なコマンドを追加していきましょう。
これでデータ ドリブン ページを使用するための独自のツールバーを作成することができました。
左から順にコマンドを実行していくことで、最初に決めたワークフローに沿って作業を進めることができます。
カスタマイズした内容は「ユーザー設定」ダイアログを閉じることで保存されます。
3. その他、細かい設定
・アイコンの変更
ツールバーに表示されているコマンドのアイコンは変更することができます。上の手順で使用した [マップのエクスポート] など、デフォルトでアイコンが用意されていない機能にも設定できます。
アイコンを変更したい機能を右クリックし、 [ボタン イメージの変更] もしくは [イメージの参照] から使用したいアイコンを指定してください。
・カスタマイズでしか追加できない隠れたコマンド
実は通常のツールバーには用意されていない、隠されたコマンドも用意されています。便利な機能も多いので、下の表で簡単にご紹介します。
いかかでしたでしょうか。
今回ご紹介した手順では、新しくツールバーを作成してカスタマイズを行いましたが、冒頭の画像のように既存のツールバーに機能を追加することもできます。
前回の記事とあわせて、ぜひみなさんだけの ArcMap を作り上げてください。
■関連リンク
・ 図郭ごとにマップを出力する方法
・ 実は使える! ArcMap の便利ツール (1)
・ 実は使える! ArcMap の便利ツール (2)
・ 実は使える! ArcMap の便利ツール (3)