ArcGIS Pro で見やすいマップ テキストを作成するテクニック: ポイント ラベル編

はじめに

地図を作る中でも地味な作業の一つであるマップ上のテキスト作成。時間がかかり、面倒くさい作業と思われがちですが、実はマップの肝であることをご存知ですか?マップの質を左右する一因でもあり、正しい位置に配置することでパズルを解いているような達成感も与えてくれるのがテキスト作成です。テキスト作成スキルを向上させたい、またはシンプルにタイポグラフィーが好きだというそこのあなた!これから 4 回に渡ってご紹介するマップ テキストのテクニックを是非ご活用ください。

ArcGIS Proで作成されるテキストは主に 3 種類あります。本ブログ シリーズでは、以下の順でご紹介致します。

  1. ラベル
    • ポイント フィーチャ
    • ライン フィーチャ
  2. アノテーション
  3. グラフィックスおよびテキスト

このシリーズでは、九州・四国エリアのマップを使ってテキスト作成の方法をお見せ致します。マップには都市、名所、高速道路、新幹線ルートの情報が表示されています。皆様も一緒にテキスト作成を行っているつもりでご覧ください。また、是非ご自身のマップでもテキスト作成を行ってみてください。

ラベル クラス

それでは、本シリーズ第一弾、ポイント フィーチャ ラベルの設定から始めていきましょう!

マップを見てみると都市を示す二重丸の他に、ピンク色のドットが所々ある事が確認できます。このシンボルは海と県名ラベルを作成する際に、正確な場所にラベルを配置できるようにするための仮のシンボルです。正確な位置にラベルを配置するためにも、ラベル作成の前にシンボルの設定をすることをおすすめします。

ラベルの設定をするには、まず [コンテンツ] ウィンドウで設定したいレイヤーを選択します。リボンの [フィーチャ レイヤー] の [ラベリング] タブから [ラベル] をクリックします。

今のラベルでは種類ごとの区別がつかず、背景と同化していて、非常にわかりにくいマップになっています。種類ごとに異なるスタイルのラベルを使用することで、場所の区別がつき、より見やすいマップになります。ラベル クラスを使用することにより、種類ごとのラベルの設定が可能です。ラベル クラスを作成したいレイヤーが [コンテンツ] ウィンドウで選択されていることを確認し、[ラベリング] タブの [クラス] ドロップダウン リストから、[シンボルからラベル クラスを作成] を選択します。

※シンボルが個別値や等級色など、分類表現されている場合のみ [シンボルからラベル クラスを作成] オプションを利用できます。

データは種類別にシンボルで分類されています。データの性質をよく調べ、分類することでラベル編集における後の混乱を避ける事ができます。

[現在のラベル クラスに追加] と [縮尺範囲] のチェックボックスをオフにし、[OK] をクリックします。次に、[コンテンツ] ウィンドウの [ラベリング別にリスト] をクリックします。ここでは作成されたすべてのラベル クラスが確認できます。

フォントの設定

ラベルがすべて黒色で読みにくい状態ですので、早速編集をしていきましょう。通常、画像が背景地図として使われているマップには白色や明るい色がテキストに使用されることが多いです。すべてのラベル クラスが選択されているので、一括変更を行います。[ラベリング] タブからテキストの色を白に変更します。

色の変更だけでも先程と比べ、ラベルが見えやすくなりました。

次にフォントを設定します。様々なサイズ、色、スタイルを組み合わせることもできますが、一般的には統一感を保つために1つのフォントのみ使用する事をおすすめします。ですがこのマップは全体的に文字数が多いので、違いを強調させるために複数のフォントを組み合わせて種類別にラベルを作成します。

ラベルのフォントにルール等はありませんので、皆様がラベルを作成される際の参考になれば幸いです。

まず政令指定都市、並びに市と島のフォント設定をします。[コンテンツ] ウィンドウで政令指定都市を選択し、[ラベリング] タブからフォントを 「游ゴシック Bold」、サイズを「16pt」に変更します。

を選択し、フォントを上と同様に「游ゴシック Bold」、サイズを「11pt」に変更します。

次に、海のフォント設定をします。[コンテンツ] ウィンドウでを選択し、フォントを「HG明朝B ボールド」、サイズを「14pt」に変更し、色に「ヨゴブルー (列2 行10)」 を選択します。更にラベルの配置ギャラリーから [中心点] を選択します。

同様に、県名のフォントも設定していきます。[コンテンツ] ウィンドウでを選択し、フォントを「HB明朝B」に変更します。サイズを「21pt」に、色に「グレー30% (列4 行1)」 を選択します。ラベルの配置も海と同じく、[中心点] にします。

ここまではあまり他のラベルと変わりませんが、一番サイズが大きいラベルということもあり、少しだけ工夫をします。テキスト シンボル右下の矢印をクリックします。

[ラベル クラス] ツールが起動したら、[シンボル] タブから [書式] を選択します。

[文字の間隔] を [40%] に変更します。

間隔を広げることによって、少しゆったりとした表示になりました。県名が都市名とは異なり、広範囲を象徴していることが読み取れます。

最後に、名所のフォント設定です。名所を選択し、フォントを「メイリオ ボールド」、サイズを「9pt」に変更し、色に「オリヴィン イエロー (1 行 6 列)」を選択します。

さいごに

これでポイント フィーチャに関連するラベル設定は全て完了しました。

次回は高速道路や新幹線ルートなどのライン フィーチャ ラベルの設定を行っていきます。ライン フィーチャはポイント フィーチャとは少々異なる設定が必要なので、是非お見逃しなく!

今回ご紹介した方法が皆様のマップ作成の参考になれば幸いです。

※この記事は米国Esri社のブログ記事を参考に、翻訳したものです。当記事でご紹介できなかったコンテンツも載っているので、英語にはなりますが、こちらも是非参考にしてみてください。

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