ArcGIS Pro 2.6 新機能: 対話的な適地選定が可能に!「適合性モデラー」をご紹介します!

2020 年 9 月 10 日に ArcGIS Pro 2.6 をリリースしました。

今回は、ラスター データを使用した対話的な適合性モデル解析を行い、動植物の生息地や各種施設の適地選定などが行える新機能「適合性モデラー (Suitability Modeler)」をご紹介します。

※本機能は ArcGIS Spatial Analyst エクステンション ライセンスが必要です。

適合性モデラーとは?

標高や傾斜、道路や河川からの距離、土地被覆など様々なラスター データを条件として入力し、変換や重み付けを行い、特定の地物やエリアの設置に最適な場所を特定するワークフローです。

例えば、野生生物の生息地の特定や、商業施設、宅地開発、発電所や工場、リゾート施設の建設に最適な場所の決定などに活用することができます。

これまで、ArcGIS Pro でラスター データを使用した適地選定を実行する場合は、複数のジオプロセシング ツールを組み合わせたり、ModelBuilder を組み立てたりして解析を実行する必要がありましたが、適合性モデラーでは、対話的に解析を実行することができます。

適合性モデラーへは、ArcGIS Pro の [解析] タブ → [Suitability Modeler] からアクセスできます。

適合性モデラーの解析の流れ

今回は、ハワイのマウイ島におけるコーヒー農園の最適候補地の選定を、適合性モデラーを使用して実行します。

  1. 条件データを準備し、適合性モデルに入力する

今回は、土地被覆、土壌、標高、傾斜角、傾斜方向、降水量、気温などのラスター データセットを条件として入力します。

  1. 各条件の値を適合性スケールに変換する

各条件のラスターに含まれている値を、共通の適合性スケール (1 から 10 など。数字が高いほど適している) に変換します。土地被覆の条件ラスターの場合は、土地利用のカテゴリごとに適合性を設定します。例えば、開発済みの土地や荒れ地の適合性は「1」と低く、コーヒーの栽培に適した耕作地については適合性を「10」と高く設定します。

各条件の変換には、[Transformation] ウィンドウを使用します。ここでは、適合性モデル全体のヒストグラム、現在変換している条件のヒストグラムを見ながら適合性を変更でき、マップに表示される適合性モデルも連動して更新されます。

ほかの条件についても、それぞれの値を適合性スケールに変換します。一例として降水量の条件ラスターについて、一般的にコーヒーの栽培に適した雨量は年間 1500mm ~ 2500mm とされています。[Transformation] ウィンドウにおいて、ガウス関数を用いて最適な降水量の中央点を 1800mm と設定し、中央点より小さい値・大きい値の適合性を低く設定します。

適合性モデラーでは、複数の適合性モデルを同時に並べて表示することができるので、全体の適合性モデルを見ながら、個々の適合性モデルの変換を行うこともできます。

  1. 入力した条件を重み付けし、適合性マップを作成する

すべての条件を適合性スケールに変換したら、条件を相互に相対的に重み付けします。コーヒーの栽培においては、その場所の降水量が重要とされています。ここでは、降水量ラスターの重みを「3」に変更し、最終的な適合性マップを完成させます。

 

  1. 適合性マップから、コーヒー農園に最適な場所を特定する

完成した適合性マップから、[Suitability Modeler] ウィンドウの [Locate] タブで空間的な条件に基づいた最適地を特定します。今回は「640 エーカーの土地を 2 箇所」と設定して実行します。

マウイ島全体でコーヒー栽培に最も適した 640 エーカーの土地を 2 箇所特定することができました。

ArcGIS Pro 2.6 の「適合性モデラー」を使用することで、ラスター データを使用した適地選定のワークフローを対話的かつ探索的に実行することができるため、より優れた意思決定に活用することができます。

適合性モデラーのワークフローについて詳しくは、以下のヘルプ ドキュメントや動画もご参照ください。

適合性モデラーとは

一般的な適合性モデリング ワークフロー

ArcGIS Pro Suitability Modeler (動画/英語)

■関連リンク

ArcGIS Pro 2.6 の新機能 Web ヘルプ

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