ArcGIS Pro 2.6 新機能: ラスター & イメージ編

2020 年 9 月 10 日に ArcGIS Pro 2.6 をリリースしました。

今回は、高度な画像解析機能を提供する ArcGIS Image Analyst、豊富なラスター解析機能を提供する ArcGIS Spatial Analyst、空間データの高度な統計分析・モデリングを行う ArcGIS Geostatistical Analyst、エクステンション不要で利用できる ArcGIS Pro の標準機能から、ラスター & イメージ関連の新機能をピックアップしてご紹介します。

ArcGIS Image Analyst エクステンション

Image Analyst エクステンション、および Spatial Analyst エクステンションでも使用できるラスター関数に 「変化の計算関数」が追加されました。

このラスター関数では、2 つのカテゴリ ラスター データセット間または、2 つの連続ラスター データセット間の差やカテゴリの変化を計算することができます。

例として、ArcGIS Living Atlas of the World で配信されている USA NLCD Land Cover を使用して、米国カリフォルニア州レッドランズ市周辺の 2001 年と 2016 年の間の土地利用カテゴリの変化を計算し、結果のラスター レイヤーから 15 年間の間に開発された箇所のみを選択しています。

ArcGIS Spatial Analyst エクステンション

[カーネル密度] ツールで、[メソッド] パラメーターが [平面] に設定されている場合に、バリアの入力がサポートされるようになりました。道路や他のネットワーク、行政界に沿った密度を計算できます。

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ArcGIS Geostatistical Analyst エクステンション

[Working with Geostatistical Layers] ツールセットに、[GA Layer 3D To NetCDF] ツールが新しく追加されました。[Empirical Bayesian Kriging 3D] ツールで実行した 3D 内挿の結果を、NetCDF ファイルとしてエクスポートすることができます。

エクスポートした NetCDF ファイルは、前回の新機能ブログ記事でもご紹介した多次元データの新しい表示方式「ボクセル レイヤー」で表現できます。詳しくは、前回のブログ記事「ArcGIS Pro 2.6 新機能:多次元データの新しい表示方法 “ボクセル レイヤー” 」をご参照ください。

ArcGIS Pro 標準機能

高度なラベリング (Advanced Labeling) が ArcMap から移行されました。ラスター レイヤーをストレッチ シンボルで表現する際に、独自の間隔数・間隔サイズを設定し、配色も自由に設定できます。

高度なラベリングを使用すると、標高データなどを表現する場合に、配色に沿った各値の位置を明確にすることができるようになります。

さらに、ArcGIS Pro 2.6 では、ラスター データをさまざまな条件として入力し、対話的な適地選定が行える「適合性モデラー」が追加されました。適合性モデラーについては後日、本ブログでもご紹介いたします。

そのほかにも、ラスター & イメージ関連の機能が多数強化されています。詳細は ArcGIS Pro 2.6 の新機能 Web ヘルプをご覧ください。

次回の ArcGIS Pro 2.6 新機能紹介記事では、ますますパワーアップしたマッピング & ビジュアライゼーションの新機能をご紹介します。

■関連リンク

ArcGIS Pro 2.6 新機能ページ

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