目次
はじめに
ArcGIS StoryMaps で「メディア アクション」という機能があることをご存知でしょうか?
メディア アクションはストーリー マップにおいてメディアの表示を対話的に行えるようにする機能です。この機能を用いることでストーリーにより表現の幅を持たせることができ、読者の印象に残るストーリー マップを作成することができます。
今回のブログでは、メディア アクションを活用して作成された「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」というストーリー マップを用いて、その機能をご紹介します。
「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」ストーリー マップの表示
ボタンをトリガーにしてメディアの表示をする (ボタンスタイル)
メディア アクションのボタンスタイルを用いることでメディア パネルの表示を変化させることができます。ボタンスタイルはボタンをトリガーにしてメディアの表示を変更することができる機能です。
<作成手順>
始めに [サイドカー] → [メディア パネル] → [追加] をクリックしてアクションの選択前にメディア パネルに表示するメディアをインポートします。
次にボタンをクリックした際にメディア パネルに表示されるメディアを決定します。
[注釈パネル] → [コンテンツ ブロック] → [メディア アクション] をクリックすると [このアクションの説明] という空のボタンが表示されます。
[このアクションの説明] のフィールドに表示したいテキストを入力し、[アクションの追加] をクリックして表示したいメディアをインポートします。
[サイドカー] 機能についてはヘルプをご参照ください。
ボタンをトリガーにすることで読者の目に留まりやすくなるストーリー マップをデザインすることができます。メディアに大きな表題を付けて強調したい場合に有効です。
「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」のストーリー マップの第一章では、鉄道網発展の変遷について紹介されています。(対象部分の表示)アクションの選択前のメディア パネルには東京都の行政区域のマップが表示されており、ボタンを選択することで年代ごとの鉄道網のマップを表示することができます。読者は見たい年代のデータを自身で選択できるため、鉄道網の拡大を能動的に理解することができます。
テキストをトリガーにしてメディアの表示をする (リンクスタイル)
リンクスタイルを用いることでストーリー マップのデザインをスマートにすることができます。リンクスタイルはテキストをトリガーにしてメディア パネルの表示を変更することができる機能です。
<作成手順>
[注釈パネル] 内の任意のテキストを選択後、[メディア アクション] をクリックしてメディアをインポートします。画像はリンクスタイルによるメディア アクションを設定している場面になります。
リンクスタイルでストーリーを整理する
ボタンスタイルの利用時にデザインが主張しすぎてしまう場合には、リンクスタイルを用いることでより整理されたデザインに仕上げることができます。また、テキストの色や太さ等を変更することができるため、表現の幅が広いスタイルです。
「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」のストーリー マップの第一章では、鉄道の主な出来事についての年表が紹介されています。(対象部分の表示)西暦と出来事をリンクにすることで読者は興味を持った出来事のみを選択しマップを表示することができます。
文章中にリンクを埋め込む
さらにリンクスタイルでは文章中のテキストをリンクにすることで読者にはスムーズに読み進めてもらえるデザインに仕上げつつ、コアな読者向けに詳細なデータを取り入れることができます。
「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」のストーリー マップの第三章では、鉄道駅の周辺人口の変化について紹介されています。(対象部分の表示)文章中の場所や地域名をリンクにすることで読者の興味の差異により引き起こるストーリー上表示が不可欠ではない詳細な地域のマップが埋め込められています。
メディアの動的な表示をする
メディア アクションを活用するとメディアに流動的な動きを取り入れることができます。表示範囲やレイヤーを変えながらダイナミックな動きを導入することで読者の印象に残るストーリー マップに仕上げることができます。
「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」のストーリー マップの第四章では、将来の路線開業について紹介されており、3 つ目に都心部・臨海地域地下鉄の事例が挙げられています。(対象部分の表示) メディア パネルには 3D 都市モデルと事業計画上のルートが Web シーンとして挿入されています。駅名を順に選択することで開通予定の路線を辿りながら街並みを確認することができます。
複数のメディアの表示の切り替えをする
従来のメディア アクションの機能ではボタンスタイルによるメディア パネルの表示の切り替えが有効でしたが、2024 年 5 月にはリンクスタイルにおいてもメディア パネルの表示の切り替えが有効となりました。メディア パネルでメディアを表示することでより大きな画面で閲覧することができます。複数のメディアを必要に応じて使用することでストーリー マップの質を向上させましょう。
「鉄道路線の開通と駅開業の歴史と未来」のストーリー マップの第二章では、近年の新駅開業について紹介されており、複数のメディアの表示の切り替えが用いられています。(対象部分の表示)アクション選択前のメディア パネルには駅舎の写真が表示されており、ボタンをクリックすることで異なる2D の Web マップや 3D の Web シーンを閲覧することができます。また、写真ギャラリーに表示されたテキストをクリックすることで対象の写真を閲覧することができます。
おわりに
本ブログでは、ArcGIS StoryMaps のメディア アクションの機能をご紹介しました。ボタンスタイルとリンクスタイルを使い分け、様々なメディアの表示の切り替えを取り入れることでストーリー マップをより印象的なものに仕上げてみてはいかがでしょうか。