ArcGIS CityEngine 2024.0 が 2024 年 7 月 9 日 (日本時間 7 月 10 日) にリリースされました。ArcGIS CityEngine 2024.0 では、新しい機能の追加や機能改善が行われています。ここでは、「What’s new in CityEngine 2024.0」を ESRIジャパンが翻訳したものを紹介します。
目次
Visual CGA: ノードベースのプロシージャルモデリング
本リリースよりベータ版ではなくなった Visual CGA Editor では、プログラミング スキルがなくても都市のデザインを作成し、マス スタディを行うことができるようになりました。また、ノードベースのモデリングと建築ルールのコンポーネント ライブラリにより、都市のインタラクティブな開発が行えるようになりました。
CityEngine に組み込まれているコンテンツ ライブラリの ESRI.lib には、サイト分割とマスのためのコンポーネントのセットが含まれるようになりました。また、アーリーアクセス版としてフロアやファサードの建築ルールも Example VCGA Playground で利用できます。
なお、このサンプルは、CityEngine の [Help] の [Download Tutorials and Examples] からダウンロードできます。これらの詳細は、「Visual CGA Editor」をご参照ください。
ArcGIS Online でシーンを共有: Webシーンのエクスポート
[Share as Web Scene] からの出力では、CityEngine シーンを ArcGIS Online 上に共有でき、ユーザーは、ブラウザー上で Scene Viewer を使って 3D コンテンツを含んだシーンにアクセスできるようになりました。
これらのWebシーンでは、CityEngine プロジェクトへのシームレスなアクセスが可能なため、関係者や一般人とデザインを共有することがこれまで以上に簡単になります。
また、CityEngine シーンの各シナリオを個別の Web シーンに取り込むことができ、これにより ArcGIS Online 上でデザインを簡単に整理、管理、共有できます。
Urban との統合において地形をサポート
CityEngine を使用して、ArcGIS Urban のプランの標高や地形を編集できるようになりました。CityEngine で ArcGIS Urban のプランをインポートする際、ArcGIS Urban の最新リリースでサポートされたシナリオごとのカスタム標高レイヤーが 1 つずつ別々の地形レイヤーとして自動的にインポートされます。
インポートされたレイヤーは、CityEngine の地形編集ツールを使って地形を修正でき、編集した後、ArcGIS Urban Scenario にアップロードすることもできます。
新しいマテリアル ライブラリとマテリアル ブラウザー
今回のリリースにて ESRI.lib に都市でよく使用されるマテリアルのセットを追加しました。これらは、Web や VR アプリケーションでの公開など、クロス メディアでの使用に最適化されています。詳細は、「CGAルールと属性」をご参照の上、お試しください。
また、マテリアルの選択を簡単にするために、専用のブラウザーを追加しました。これにより、最適なマテリアル オプションを素早く選択することができます。このブラウザーは、@MaterialFile アノテーションで定義された CGA 属性に対して、[Inspector] ウィンドウの [Material] ボタンから使用できます。
ガイドの強化
ガイドは精密な手動モデリングに便利なツールで、今回のリリースによってガイドをシーン オブジェクトにすることや [Scene Editor] ウィンドウのガイド レイヤーにすることができるようになりました。
例えば、ガイドを別々のレイヤーにグループ化し、不要な時は隠すことができるようになったほか、ガイド レイヤーをシナリオに割り当てることもできます。
さらに Viewport や [Scene Editor] ウィンドウでガイドを選択し、コピー、修正、変形することもでき、これによりさらに自由にガイドを扱えます。
また、Python でもガイドがサポートされたほか 1 つのシーンに設定できるガイドの制限がなくなりました。
表示の改良: モダンな選択ハイライト
ワークフローを向上させるために、Viewport での選択ハイライトをよりモダンにしました。選択ハイライトを無効にすることなく、塗りつぶしでモデルを微調整することができます。
また、外枠と塗りつぶしの両方が、選択範囲を遮る可能性のある他のオブジェクトを透過することで、シーン全体を移動しながら選択範囲を把握することができます。
さらに、シェープのエッジと頂点にハイライトを追加し、モデルのエッジや面が明確に区別できるようになったことで、編集ツールで何が変更できるのかを直感的に理解できるようになりました。