現場作業に特化した多機能現地調査アプリ ArcGIS Field Maps (以下「Field Maps」) が 2023 年 2 月 22 日 (日本時間 2023 年 2 月 23 日) にアップデートされました。今回のアップデートでいくつかの機能の強化と改善が行われましたので、ご紹介します。
なお、Field Maps Web アプリは ArcGIS Field Maps Designer に名称を変更しました。
目次
組織のタイル パッケージをオフライン マップとして使用可能
Field Maps は現地調査で使用する性質上、インターネットに接続できない環境下でもご利用いただけます。オフライン環境で使用する場合、使用するベースマップとタイル パッケージを事前に設定しておく必要があります。これまでも Web マップで定義されたベースマップの他、個々のアカウントで保有されているタイル パッケージを使用することができましたが、今回のアップデートで、[組織のタイル パッケージ] を利用可能になりました。
これにより、広範囲かつ詳細なベースマップを使用することができるので、現地調査の効率化を促進できます。
モバイル作業者のエクスペリエンスの向上
iOS または Android 端末で Field Maps を使用する際に、参照するタイル パッケージが端末上にまだ存在しない場合、すぐにダウンロードされるようになりました。一度ダウンロードすれば、複数のマップやオフライン マップで再利用できます。
フォームの強化
複数のフォーム エレメントを追加することで柔軟なフォームの構成を行うことができます。これまでは作成したフォームを「マップの一部」としてのみ保存できましたが、今回のアップデートで「レイヤー アイテム」として保存できるようになりました。「レイヤー アイテム」として保存することで、そのレイヤーが使用されているすべてのマップで、作成したフォームを活用することができます。
Arcade 式を使った動的なフォームの設定
Arcade 式を使うことで、フォームの値を計算する計算式や条件付きの表示設定式を作成でき、フォームの柔軟な構築を実現できます。今回のアップデートでは、フォーム内のフィールドを [必須] や [編集可能] にする条件を Arcade 式で動的に構成できるようになりました。
条件設定は上記のようにフォームの構築画面上で簡単に設定できます。さらに既存の式を選択することで別のフォームの要素と共有することも可能です。
位置の共有の強化
Field Maps では現在地と位置の履歴を記録し、共有する機能が提供されています。今回のアップデートでは、“locationSharingUploadLKLFrequency” というアプリ リンク パラメーターを使用して最新位置 (LKL) を構成することができるようになりました。これにより端末保有者の位置情報の更新頻度を 60 秒 (デフォルト) ~ 5 秒まで設定できます。
またアプリ リンクと MDM で “locationSharingShareLKLOnly” を構成できるようになりました。位置の履歴は保存されず、最後に端末を利用した位置情報のみを共有することができます。
なお、位置情報の共有機能を使用する場合には、モバイル アプリでサインインするユーザーが Mobile Worker ユーザー タイプまたは Location Sharing ユーザー タイプ エクステンションが割り当てられている必要があります。
おわりに
より強力になった現地調査の効率化を促進する Field Maps を是非ご活用ください。