ArcGIS Maps SDKs for Native Apps 200.7 をリリースしました

ArcGIS Maps SDK for .NETArcGIS Maps SDK for KotlinArcGIS Maps SDK for SwiftArcGIS Maps SDK for Flutter の各 SDK の最新バージョン 200.7 を 2025 年 4 月 9 日 (日本時間 2025 年 4 月 10 日) にリリースしました。この記事では、バージョン 200.7 で追加された主要な機能や変更点について紹介します。

ArcGIS Runtime ライセンス パックをご購入の方は、2025 年 4 月 10 日以降保守有効なライセンスがアップデート対象となります。

各 SDK (.NET/Kotlin/Swift/Flutter) 共通のアップデート内容

ユーティリティー ネットワークの編集機能強化

バージョン 200.7 では、ジオメトリー エディターにルール ベースのスナップ機能が追加され、ユーティリティー ネットワークを扱う際のスナップの操作性がさらに向上しました。ルール ベースのスナップは、ユーティリティー ネットワークで定義された接続ルールをインタラクティブに適用し、追加および編集するアセットが互いに正しく接続されるようにユーザーをガイドします。

たとえば、ルール ベースのスナップでは、新しいサービス ラインのジオメトリーが、接続できる既存の機器にのみスナップするように設定することができます。多くのユーザーはすでに業務の専門知識をお持ちですが、この機能でその精度を高め、エラーを減らすことができます。

ユーティリティー ネットワークの接続ルールを使用して、正しいソースにスナップ

動的エンティティー クエリー

動的エンティティーは、ストリーミング データやリアルタイム データをアプリに簡単かつ直感的に組み込むことができます。動的エンティティーは、取り込まれる更新情報を追跡し、それらをマップ上の既存のフィーチャに関連付けをおこないます。

動的エンティティーの更新が時間とともにアプリに流れ込むと、膨大なデータになってしまいます。このリリースでは、そのデータに対してクエリーを実行し、属性やジオメトリーに基づいて特定の動的エンティティーにフォーカスする機能が追加されています。

例えば、航空機の更新情報をリアルタイムで表示し、どの航空機がタキシング中か、特定の空港でタキシング中か、あるいは尾翼番号で特定の航空機に焦点を当てることができます。また、特定のパトカーが現在勤務中かどうかを判断したり、新しい事件から特定の運転時間内にどの救急車がいるかを調べたりすることもできます。ストリーミング更新のセット内で特定のデータに焦点を当てることで、ユーザーは全体のストリーミング フィードの広い文脈を維持しながら、ターゲットを絞った質問に答えることができます。この最初の動的エンティティーのクエリー機能は、クエリーを実行した時点でクエリーに一致する動的エンティティーを識別する「スタティック」または「スナップショット」クエリーを提供します。

動的エンティティー クエリーを使用して、空港でタキシングしている航空機をハイライト

2D におけるイメージ オーバーレイ

イメージ オーバーレイは、他のマップやシーンのコンテンツの上に、地理参照画像や一連の画像を効率的に表示するのに便利です。良い例は、気象レーダー画像のシーケンスです。これまで多くのリリースで 3D シーン ビューでのイメージ オーバーレイをサポートしてきましたが、200.7 ではマップ ビューを使用した 2D エクスペリエンスでも利用できるようになりました。

MapView のイメージ オーバーレイを使用して、暴風雨時の降水の位置、種類、強さを表示

非推奨事項

  • iOS/iPadOS 16 のサポートは非推奨です。このバージョンをサポートする最後のリリースは 200.7 です。次のリリースでは iOS/iPadOS 17 以上が必要となります。
  • macOS Ventura(バージョン13)のサポートは非推奨です。このバージョンをサポートする最後のリリースは 200.7 です。次のリリースでは、最低でも macOS Sonoma(バージョン 14)が必要になります。
  • Android 8 (API 26) のサポートは非推奨となります。このバージョンをサポートする最後のリリースは 200.7 です。次のリリースでは、最低でも Android 9(API 28)が必要になります。

各 SDK 固有のアップデート内容

実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。

ArcGIS Maps SDK for .NET

ArcGIS Maps SDK for .NET チームは、アプリケーションのスタイリングを強化するために、Calcite Design System にインスパイアされた新しい Calcite .NET ツールキットを発表しました。詳しくは Esri Community の開発者ブログをご覧ください。

ArcGIS Maps SDK for Swift

ArcGIS Maps SDK for Swiftは、オフライン マップを扱うための全く新しいツールキット コンポーネントを導入しました。OfflineMapAreasView コンポーネントは、先行ダウンロードとオンデマンドのオフライン マップを処理、オンデマンドのオフライン マップを定義、ローカルに保存されたダウンロードされたマップを管理するための豊富なUI コンポーネントを提供、バック グラウンドでのオフライン マップのダウンロードを堅牢に処理します。このコンポーネントは、今後のリリースで他の ArcGIS Maps SDKs for Native Apps ツールキットにも追加される予定です。詳細につきましてはリリース ノートをご参照ください。

ArcGIS Maps SDK for Flutter

昨年リリースされた新しい ArcGIS Maps SDK for Flutter には、他の ArcGIS Maps SDKs for Native Apps で利用可能な機能のサブセットしか含まれていませんが、Flutter Maps SDK の 200.7 リリースでは、パリティー ページの通り、ラスター サポート、認証情報の永続化、新しいロケーション データソース、ジオトリガー、ナビゲーション API、2D イメージ オーバーレイが提供されました。ただし、今回のリリースでは、ArcGIS Maps SDK for Flutter オープン ソース ツールキットの初期リリースを次のリリースまで延期します。これにより、pub.dev 経由でツールキットを利用できるようにし、さらにコンポーネントの追加を行います。

これらのアップデートを反映させるために Flutter のパリティー ページを更新しましたので、いつでも SDK の現在のステータスを参照することができます。リリースのたびに “Next release” と “Coming soon” のセクションが更新されます。次のリリースに向けて、取り組まれていることをご確認ください。

ArcGIS Maps SDK for Local Server のリタイア

ArcGIS Maps SDK for Local Server は今年初めに非推奨となりました。ArcGIS Maps SDK for Local Server の最後のリリースはバージョン 200.8 で、2025 年第 3 四半期にリリースされる予定です。長期サポート リリース(LTS)となり、LTS 製品ライフ サイクル(2 年間の一般利用可能、1 年間延長サポート、2 年間の開発終了サポート)に従い、2030 年にリタイアされます。ArcGIS Maps SDK for Local Server を使用するアプリケーションをお持ちの場合は、ArcGIS Maps SDKs for Native Apps が直接提供するコア機能を使用するための移行をご検討ください。詳細については、ArcGIS Maps SDK for Local Server のリタイアを発表したお知らせをご覧ください。

本記事ではバージョン 200.7 の主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート(英語)をご覧ください。

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