2025 年 7 月 10 日(日本時間 7 月 11 日)に ArcGIS Reality Studio 2025.1 をリリースしました。今回のアップデートでは、LIDAR データのサポート、3D メッシュの編集機能の追加、配置処理の強化など、さまざまな新機能が搭載されています。
本ブログでは、Reality Studio 2025.1 の主な新機能についてご紹介します。
目次
LIDAR データのサポート
航空写真と同時に取得した LIDAR データを再構築処理に活用できるようになりました。これにより、点群の生成が不十分だった建物や密集した都市部でも、LIDAR によって点群を補足することが可能となり、より精度の高い再構築が実現します。

LIDAR データを設定した [キャプチャ セッション] ウィンドウ
3D メッシュ編集機能の追加
内部ツールによる編集
Reality Studio の内部の編集ツールを使用して、2D だけでなく 3D メッシュの修正が可能になりました。ガラス張りのビルや反射の影響でテクスチャ精度が低下し、穴が開いてしまうようなケースでも、修正ジオメトリを追加して再処理することで、穴を塞いだメッシュを生成できます。

修正ジオメトリの適用する前と後の再構築結果(データ提供:国際航業株式会社)
外部ツールによる編集
再構築後の 3D メッシュを外部の編集アプリケーション(Blender, Meshmixer など)を使用して微調整し、Reality Studio の再構築を更新することができます。例えば、PLATEAU の 3D 都市モデルを外部アプリで編集・置換し、Reality Studio で再構築の更新を行うことで、都市モデルの形状に沿った高精度な 3D メッシュが生成可能です。

外部アプリケーションで編集したオブジェクトを適用する前と後の再構築結果(データ提供:国際航業株式会社)
オブジェクトは PLATEAU で公開されている 3D モデルを使用
配置処理の機能強化
画像計測のギャラリービュー
コントロール ポイントのリンク設置時に 4 分割または 9 分割のレイアウトに切り替えて複数画像を同時に確認できるようになりました。これにより、画像の切り替え回数が減り、作業効率が向上します。

コントロール ポイントを表示する [画像] ビューアーを 4 分割と 9 分割で表示した [画像計測] ビュー
品質保証の強化
配置処理後のコントロール ポイント表示に新しい指標が追加され、配置レポートには、推定コントロール ポイントやチェック ポイントのテーブル、指標のプレビュー表示などが新たに追加されました。

配置処理後の [品質管理] ウィンドウと配置レポート
その他の新機能
- キャプチャ セッションで、Ultramap(Vexcel社)からエクスポートされた外部標定の回転順序をサポートしました。
- メッシュのエクスポート機能において、出力形式の選択、対象領域、鉛直シフト、カラー補正、投影変換などのパラメーターが追加されました。
- 処理速度の向上が図られており、画像の最適化による配置処理の高速化と再構築の更新処理におけるパフォーマンスの改善が行われています。
その他、新機能の詳細については ArcGIS Reality Studio 2025.1 の新機能ページをご参照ください。
ArcGIS Reality ファミリーの一つである ArcGIS Reality for ArcGIS Pro も 2025 年 6 月 24 日(日本時間 6 月 25 日)にリリースされた ArcGIS Pro 3.5 にて新機能が追加されています。詳細は ArcGIS Pro 3.5 の新機能|ArcGIS Reality for ArcGIS Pro をご覧ください。
関連リンク
- 画像とリモートセンシング:リアリティ マッピング