Esri CityEngine ~ルール パッケージ ファイルを作ろう~

以前のブログでは、第一弾第二弾と 2 シリーズに亘って ArcGIS Pro で使えるプロシージャル シンボルは「ルール パッケージ」というファイルを読み込むことにより定義するという事をご紹介しました。今回は、そのプロシージャル シンボルの元となるルール パッケージ ファイルの作成方法をご紹介します!

ルール パッケージ ファイルは Esri CityEngine という 3D 都市モデリングの製品で作成することができます。Esri CityEngine ではさまざまな 3D モデルを設計して作成することができ、最小限の設定でバリエーション豊富なモデルを一度に大量に生成できるのが特徴です。下図は CityEngine で設計した家屋の 3D モデルの例です。

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CityEngine でのルール パッケージ作成の工程は、まずルール ファイルと呼ばれるファイルに任意のモデル(建物など)を構築するコードを書きます。このコードは CGA コードと呼ばれ、CityEngine 専用の言語です。このルール ファイルをパッケージ化するとルール パッケージの完成です。パッケージにするとルール ファイル単体だけでなく、ルール内で使用されている画像等のアセットも一緒に 1 つにパッケージ化されるため、管理がとても楽です。また、ファイルは ArcGIS Online にも公開できるため、いつでもどこからでもダウンロードでき、また他のユーザーや同僚に共有することもできます。

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では、早速ルール パッケージ ファイルを作ってみましょう。

用意するもの
・Esri CityEngine(お持ちでない方は 30 日間無料体験版をお申し込みいただけます)
・ルール ファイル

– ルール ファイルを既にお持ちの方は、「2. ルール パッケージの作成」へお進みください。
– ルール ファイルをお持ちでない方は、以下の URL より、データをダウンロードしてお試しください。
http://www.arcgis.com/home/item.html?id=2d81862bc0dc4046a4732a2b3cb8d642
画像の下の [開く] → [ダウンロード] を選択し、CityEngine のワークスペースに保存します。デフォルトでは、<C:Users<ユーザー名>CityEngine> です。

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1. プロジェクトのインポート
① CityEngine を起動します。
② [File] メニュー → [Import] を選択します。

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③ [Project] フォルダー → [Existing Projects into Workspace] を選択し、[Next] をクリックします。

④ [Browse] ボタンからダウンロードしたプロジェクトを選択します。

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⑤ [Navigator] ウィンドウで [IllustHouse] プロジェクト → [rules] フォルダー → [IllustHouse.cga] ファイルをダブルクリックします。ルール ファイルが開きます。


2. ルール パッケージの作成
① 起点のルールの前行に @StartRule と記入します。 ルール パッケージを作成するには必ずスタート ルールを設定する必要があります。また、他のプロジェクトのルール ファイルを引用している場合は、パッケージ化できませんのでご注意下さい。

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② [Navigator] ウィンドウ → [IllustHouse] → [rules] フォルダーに格納されているルール ファイルを右クリック → [Share As] をクリックします。

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③ [Rule Package] で出力先を選択します。

・Web 上で公開し、共有するには「Upload package to my ArcGIS Online or Portal account」を選択します。※ ArcGIS Online、または Portal for ArcGIS のアカウントが必要です。
・ローカルに保存するには「Save package to file」を選択します。

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④ [Item Description] でサマリ(必須)とタグ(必須)を入力します。

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⑤ [Analyze] をクリックしてルール ファイルを正常にパッケージできるかを確認します。

⑥ [Share] をクリックするとルール パッケージが作成されます。

これで ArcGIS Pro でプロシージャル シンボルとして利用できるルール パッケージが作成できます。あとは、このルール パッケージを ArcGIS Pro で適用すれば、2D および 3D のポリゴン データから下図のように簡単に 3D モデルで街の景観を作成できます。プロシージャル シンボルの適用方法は前回のブログをご覧ください。

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CityEngine の基本を学びたい、自分で 3D モデルを作成したいという方は Esri CityEngine の初心者用チュートリアル「ゼロから始める CityEngine 2015」を是非お試しください。


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