青山学院大学 経済学部 流動人口データを利用した授業をリモートで実施!

青山学院大学経済学部では 2003 年から GIS を柱の 1 つとし、基礎から応用までのカリキュラムを学部生に対して提供している数少ない大学です。今回は、先日見学させていただいた、コロナ禍の流動人口データを用いた「GIS による空間分析Ⅰ」の授業の内容をご紹介します。

現在、新型コロナウイルスの流行によって、多くの大学で講義がオンラインで実施されています。ただ、ソフトウェア等を用いた実習や演習を含む授業は、学生の保有する PC のスペックの問題やインストール作業の発生等があり、対面の授業と同じ内容がオンライン授業では難しい場合もでてきています。

青山学院大学 経済学部 高橋教授は後期に実施する「GIS による空間分析Ⅰ」の授業にて、これまでは ArcGIS Desktop で実施していた内容を、ArcGIS Online へと切り替えることで、インストール不要のクラウド GIS の演習を取り入れたオンライン授業を実施されています。

高橋教授は、事前にオンデマンド型で視聴できる操作動画と資料を受講者へ共有し、授業時間はリアルタイムで操作の説明や質疑応答を受け付ける「反転授業」で講義を進行されていました。動画や資料の作成等、教員の負担は大きいようですが、事前に予習をしてきた学生は授業内容について更に理解を深めることができ、操作を交えた内容にも関わらずスムーズに授業を受けることができるようです。

授業では株式会社 Agoop の提供している、スマホアプリより得られた位置情報ログから生成している流動人口データを用いて、2019 年 10 月から今年にかけてどのように人口が変化しているのか分析する実習を取り入れています。

可視化するだけではなく、ホットスポット分析や、時系列での比較分析、他施設の位置情報も用いて空間分析の手法を学習できる内容となっていました。

学生たちは、実社会から得た流動人口データを用いた授業を実施することで、身近であるスマートフォンやアプリも人々の行動履歴を取得するツールの1つとして活用されており
このビッグデータの活用が今回の新型コロナウイルスの
対策等にも役立っていることが実感できたようです。

また、学生からは、流動人口データを、観光ルートの提案や、商業施設の出店にも活用できそうといった発言もありました。ビッグデータの活用・データサイエンスといった内容は、今後社会に出ていく学生たちにとっても興味深い内容のようです。

十分な体制が整わない中、新年度に突入しオンライン授業へ移行した教育現場では、柔軟な対応が求められたかと思います。

引き続き、大学ではオンラインと対面でのハイブリッドの授業が続くかと思いますが、ESRI ジャパンでは、学びを止めないための体制づくりをサポートするため、今後も誰でも、どこでも活用できる GIS ツールを教育現場に提供していきます。

また、自主学習用ライセンスやコンテンツも用意しておりますので、是非ご活用ください。

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