※本記事は、米国 Esri 社が手掛ける企業のエグゼクティブ向けデジタル マガジン「WhereNext Magazine」を要約したものとなります。今後は「WhereNext Japan」としてシリーズ化して定期配信していきます。
建設業界は世界の GDP の 13% を占める巨大市場であり、世界最大の経済エコシステムを構成しています。
近年、安全面や環境面への配慮が強く求められる中、建設業界もそうした社会情勢に対応すべく、大幅な改革が求められています。
テクノロジーの力で建設業界が変革する
機械学習やモジュラー建設などの新しいテクノロジーに注目が集まっていますが、
マッキンゼー社によると、建設業界のエグゼクティブ層の多くが、今後 5 年以内に大きな変化が起こると予想しています。
日本国内でも国土交通省が「i-Construction」を推進するなど、建設業の ICT 化が進められていますが、残念ながら位置情報を含んだデータの多くが未使用のまま埋もれている状況です。
位置情報を含んだ GIS データを活用することで、建設現場でリアルタイムな情報共有が実現でき、ビジネスリーダーは、ロケーションインテリジェンスや空間的洞察を踏まえて、高度な意思決定が可能となります。
日本の建設業界では労働者の高齢化が深刻化し、慢性的に人材が不足しています。
そうした問題を解決するため、ドローンを使った測量や 3D マップの作成など、建設現場のイノベーションが進んでいます。
建設業界のリモートワーク化
COVID-19 のパンデミックにより、建設業界でも働き方が大きく見直され、リモートでの業務が実現できるよう、デジタル化が進んでいます。
GIS とビルディング インフォメーション モデリング(BIM)を統合したデジタルツインを構築することで、リモートでの設計・建設計画の情報共有を円滑化し、リアルタイムで日々の進捗が確認できるようになります。
持続可能な社会に向けた建設業界の取り込み
建設業界は、世界で製造されるセメントの大部分を消費し、鉄鋼生産の半分、アルミニウムとプラスチック生産の 25% を占め、製造プロセスの中で CO2 を排出します。さらに建設した住宅やビルで消費する電気エネルギーは大きなものとなっています。
そこで、GIS と BIM を統合することで、建築家はデジタル空間上で、環境負荷がかからないよう構造を事前にシュミレーションできます。またリサイクル材料やソーラーパネルの使用をデジタル上で実験することで、クライアントにネットゼロエミッションのオプションを提示できます。
来るべき建設業界の変革に向けて
建設業界のビジネスリーダーは、こうしたトレンドに対応することで、才能あふれる若手人材を引き付け、先駆的な企業として業界をリードできると思います。