【WhereNext】これからの時代の出張のあり方

新しい調査によれば、世界中の出張者の数がほぼパンデミック前の水準に回復し、一部の予測を覆しています。しかし、2023年の出張者たちは、2019年の時とは全く異なる道を歩んでいます。

飛行機は、航空券が高額になるため直前予約を避けたいです。24時間以内の出張も同様です。企業は、旅費を削減し、より多くのミーティングを長い出張に組み込むことで、航空便のROI(投資利益率)を最大化しています。

業界団体であるグローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーション(GBTA)が10月に17,000人以上の旅行関連者を対象に行った世論調査で浮かび上がった主なテーマの一つは、効率性と生産性への再注目です。

調査対象者は、旅行代理店、ホテル、航空会社と連携し、出張などでの移動手段を提供する業界関係者や、社員や自社のために旅行を手配する法人企業の担当者たちです。対象地域には、アメリカ合衆国、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋地域が含まれています。

調査回答者の69%は、企業予算を上回る出張費の高騰を出張の主な障壁として挙げました。さらに、63%の回答者は、一般的な物価上昇や景気後退に関する懸念を理由に挙げています。

地域ごとの結果を比較すると、出張の変化には微妙な違いがあることが明らかになります。ヨーロッパとラテンアメリカでは、出張を担当する者の3分の2が、来年の出張プログラムで最も重要な3つの事項の中に「持続可能性」を挙げています。一方、アメリカでは「コスト管理」が最大の関心事となっており、その割合は74%に達し、今回の調査で対象となったどの地域よりも高くなっています

効率を重視する出張者への対応

これらの傾向は、企業全体の戦略的方向性を反映しています。多くの企業は、業務の効率化と環境への負荷を低減することを目指しており、これらの企業努力は共通しています。

例えば、最高執行責任者(COO)は、地理情報システム(GIS)技術を活用して、公共サービス用車両や配送トラックのルートをより迅速に計算し、CO2排出量と燃料費の両方を削減しています。

地理情報システムは、効率を重視する出張者に適応しようとする航空会社に貴重な洞察を提供することができます。ヒートマップは、経営層にとって最も人気のある出張ルートを表示し、新たな直行便の設定が望まれる場所を特定するのに役立ちます。直行便は二酸化炭素の排出効率が高く、欠航の可能性も低いため、出張のスケジュールのズレが減少する傾向があるためです

空間分析は出張予算の削減にも役立ちます。航空券の最安値を優先し、空港までの移動時間が長くなっても構わないとする企業もあるため、出張管理者は航空便を検索する際に、ダッシュボードの検索範囲を広げることが可能です。さらに、スマートマップを使用すれば、顧客やパートナー企業が集中している地域を強調表示でき、複数のミーティングを一つの目的地で効率的に行うこともできます。

対面でもオンラインでも高まるコラボレーション

GBTAの調査から、現代のビジネス運営に関する興味深い洞察が明らかになりました。出張を手配する担当者の半数以上(54%)が、社員が2022年よりも多くの対面会議やカンファレンスに参加していると回答し、パンデミック後も対面での会議の重要性が変わっていないことが示されています。

しかし、回答者の半数も、バーチャル会議の増加を感じています。

この研究から得られるのは、デジタル技術の進展に伴い、対面とオンラインの両方でのコラボレーションが再び重要視されるようになったということです。現在の違いとしては、従業員や経営者たちが、出張の費用や環境への影響をより深く考慮し、出張が本当に価値あるものかどうかを慎重に判断するようになったことが挙げられます。

この記事は WhereNext のグローバル版に掲載されたものです。
原文: Meet the New Business Traveler