推奨データセットや自治体標準データセットという言葉を耳にしたことがありますか?これらは、デジタル庁が前身の内閣官房IT総合戦略室の時代から行ってきたデータ戦略の施策の一つで、主に自治体におけるオープンデータ公開とその利活用促進を目的として、データ整備にあたっての共通ルールを定めたものです。
この度、推奨データセットの活用が見込まれるアプリ例として、ArcGIS Online および ArcGIS Hub をベースとする当社デモサイトが、デジタル庁の Web サイトに掲載されました。今回はその概要をご紹介します。
推奨データセットとは
推奨データセットは、各自治体において共通的に整備・公開が望ましいデータセットの項目定義書が用意されています。自治体職員が推奨データセットを参照してオープンデータ整備と公開を行うことで、データを利用するユーザーは、行政の区域を超えて共通のフォーマットでそのデータを利用でき、データを利用するための準備や加工のコストの削減が期待できます。
出典:デジタル庁 推奨データセット(https://www.digital.go.jp/resources/data_dataset/)
また、推奨データセットの殆どのデータセットには、データ整備を推奨する項目として“緯度”と“経度”が含まれています。一般の自治体オープンデータは CSV 等のプレーンなテキストデータで公開されるケースが多いと思いますが、位置情報を含むデータが GIS データとして公開されることで、更なる利活用の促進が期待できます。
過去の ArcGIS ブログ記事では、オープンデータ活用促進の一助とするべく、ArcGIS Hub (執筆当時は ArcGIS Open Data) 等を用いて GIS データとしてのオープンデータ活用にトライしたシリーズ記事を公開しました。詳しくは、次の記事をご覧ください。
- オープンデータの現状と ArcGIS での対応について
- ArcGIS によるオープンデータ カタログサイトの事例
- ArcGIS Open Data で作成した内閣官房推奨データセットカタログサイトを紹介します!
- 自治体職員の方に朗報! ArcGIS Online があればオープンデータ サイトは構築できます!
- ArcGIS ではじめるオープンデータ活用!ノンコーディングでアプリ作成をしましょう!
- オープンデータの将来ビジョン 「ArcGIS Hub」 と海外における先行事例について
(一部、タイトルや記事中に旧製品名が含まれます)
推奨データセットの活用が見込まれるアプリ例に ArcGIS Hub が掲載!
デジタル庁のサイトには、推奨データセットの活用が見込まれるアプリ例として、官民の様々な事例が紹介されています。そのひとつとして、当社が公開する ArcGIS Hub ベースのデモサイトである政府機関オープンデータポータルが掲載されました。政府機関オープンデータポータルは、政府のオープンデータや公開情報を GIS データとして利活用するコンセプトを示すサイトとして、当社が公開している ArcGIS Hub ベースのデモサイトです。
出典:デジタル庁 推奨データセット(https://www.digital.go.jp/resources/data_dataset/)
政府機関オープンデータポータルでは、推奨データセットの活用イメージを示すデモサイトであるオープンデータ カタログも掲載しています。オープンデータ カタログでは、推奨データセットで定義されているデータセットについて、データセットの検索、閲覧、ダウンロード、GIS Web サービス (ArcGIS REST API) によるアクセスといった GIS データに最適化されたカタログサイトが具備すべきサービスのデモを提供しています。
政府機関オープンデータポータルについても、過去の ArcGISブログ記事にて取り上げています。ご興味ある方は過去の記事をご覧ください。
推奨データセット改め“自治体標準データセット”へ
このようなビジョンのもとに公表された推奨データセットは、何度かの改訂を経て、先日 2022 年 10 月 11 日に名称を改め自治体標準データセット(試験公開版)として公開されました。本記事の執筆時点では“試験公開版”の位置づけでの公開となっていますが、令和 4 年度内には、正式版がリリースされる予定とのことです。従来以上に自治体のニーズに即したルールが提供されることを期待したいと思います。
さいごに
今回ご紹介した事例や ArcGIS Hub 等についての詳細は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。