2025 年 6 月に実施された ArcGIS Online のアップデートでは、テンプレートを使ってすぐに Web アプリを構成できる ArcGIS Instant Apps (以下、Instant Apps) にいくつかの更新と新機能が追加されました。本記事では、追加された新機能について紹介します。
目次
Web Editor テンプレート (ベータ版)
新しく Web Editor (ベータ版) テンプレートが利用可能になりました。このテンプレートでは、ArcGIS Web Editor のフィーチャ編集に関するさまざまなツールや機能を構成でき、Web アプリとして利用、共有できます。この Web アプリにアクセスするユーザーは、指定されたマップ内のフィーチャを、構成されたツールでのみ編集できます。編集対象のレイヤーや編集ツールをあらかじめ設定できるため、編集業務に適した Web アプリを作成するのに便利なテンプレートです。
このテンプレートを使用するには、少なくとも 1 つ以上の編集可能なフィーチャ レイヤーを含む Web マップが必要です。また、このアプリの利用者は、Creator、Professional、Professional Plus いずれかのユーザー タイプおよびフィーチャ編集権限を持っている必要があります。 Web Editor (ベータ版) テンプレートを使用するには、ArcGIS Web Editor の [アプリを作成] ボタン、または Instant Apps のテンプレート選択画面で選択します。
ベーシック (メディア マップ) テンプレート
ベーシック テンプレートとメディア マップ テンプレートのそれぞれの機能が統合され、単一のベーシック (メディア マップ) テンプレートとなりました。メディア マップ テンプレートから、属性フィルター、印刷、スワイプなどの機能が統合されました。
なお、メディア マップ テンプレートで作成したアプリは引き続き構成が可能ですが、新しく作成するアプリでは「ベーシック (メディア マップ) テンプレート」を選択してご利用ください。
レポーター テンプレート
レポーター テンプレートを使うと、アプリの利用者がマップ上で位置を指定し、問題の報告や投稿が可能な Web アプリを作成できます。このアップデートで、マップ内のポリゴンを境界として使用し、位置を指定する範囲を制限できるようになりました。意図しない範囲への情報の入力を防ぐことができ、さらに、境界外で送信された際に表示されるテキストも自由に設定することができます。
その他の機能
言語の切り替え
Instant Apps の多くのテンプレートでは、言語の切り替え機能を利用することで、多言語対応のアプリの作成が可能です。タイトルや詳細情報などの単語や文章は、アプリの作成者が構成した言語とその翻訳に切り替えることができます。複数の言語の翻訳を構成しておくことで、アプリの利用者は任意の言語に切り替えてアプリをスムーズに操作できます。
翻訳を構成する際、指定した複数の言語に対し一括して機械翻訳できる翻訳アシスタントを利用できます。各単語や文章を自動でまとめて翻訳する便利な機能です。この翻訳アシスタントの機能が、ベータ版からプレビュー版となりました。翻訳アシスタントが構成した単語や文章を手動で修正、調整することも可能です。多言語対応の Web アプリを手軽に作成したい場合に、お試しください。
属性の一括編集
マネージャー テンプレート、サイドバー テンプレートで、フィーチャの属性を一括編集できる機能が追加されました。テーブルやマップ上で選択した複数フィーチャに対し、一度の操作で属性を変更する機能をデフォルトで利用できます。
構成可能なアプリのリタイアについて
Instant Apps の前身である「構成可能なアプリ」は、ArcGIS Online では 2026 年第 1 四半期のリリースでのリタイアを予定しています。構成可能なアプリをご利用中の方は、完全にリタイアとなる前に、次世代の Instant Apps への移行をおすすめします。
詳細は、下記をご参照ください。