ArcGIS Pro 3.2 の新しいチャート機能のご紹介

新年おめでとうございます。本年も ArcGISブログをはじめ、ESRIジャパンをよろしくお願いいたします。年始最初の記事は、昨年末リリースされた ArcGIS Pro 3.2 のチャートの新機能のご紹介です。

ArcGIS のチャート機能は、ベクター データやラスター データに対応し、それらのデータを分析、理解するのに役立ちます。ArcGIS Pro 3.2 では、ラスター データに対応した新しいチャートや Web 表示のための新しいツールが追加されたり、各チャート形式で機能拡張が行われたりしています。

新しいチャート

新しいチャート機能として、サーフェス プロファイル軌道断面が追加されました。

サーフェス プロファイル

このチャートを使用すると、描画したラインの距離に応じた標高や地表温度などのピクセル値の変化を視覚化できます。ソース タイプには単一レイヤーまたは複数レイヤーを選択でき、シングルバンドからマルチバンドの画像を指定することができます。

軌道断面

このチャートは、衛星の軌道データセットを使用し、軌道ごとの変数の変化を視覚化できます。1 つのトラックに沿って変数を比較したり、複数のトラック間で変数を比較したりできます。
軌道データセットは、軌道ファイルのコレクションを管理する ArcGIS Pro 3.1 から登場した新しいデータセットです。軌道に沿ってサンプリングした海抜高度や海氷の厚み、氷河地形の変化などを追跡した軌道ファイルを格納し、軌道フットプリントと軌道データポイントをセットで表示します。詳しくは、軌道データをご参照ください。

チャートの Web 表示用ツール

[Web 表示用に空間統計ポップアップ チャートを変換] ジオプロセシング ツールを使用するとポップアップ チャートを画像アタッチメントとして保存したフィーチャ クラスを作成することができます。設定したフィーチャを ArcGIS Online に共有すると、チャートが Web フィーチャ レイヤーのポップアップに表示できます。本ツールを使用する場合は、Standard 以上のライセンスが必要です。

チャートの機能強化

  • チャートをクリップボードにキャプチャし、Microsoft Word や PowerPoint など添付したい場所にすばやく画像として貼り付けることができるようになりました。
  • パイ チャートとヒストグラムに [分割] オプションが追加され、指定する属性情報を基にチャートを分割して表示することができるようになりました。下図は、市区町村別の CO2 排出量を表示しており、属性情報に含まれている「政令指定都市」フィールドを使用し、政令指定都市ごとのチャートに分割表示しています。
  • バー チャートとマトリックス チャートに [時間ビニング] オプションが追加され、指定した日付フィールドの表示間隔を指定することできるようになりました。下図は、2001 年から 2021 年までの発生日ごとの大量の地震発生ポイントを、[時間ビニング] オプションで [間隔サイズ] を [1 年] に指定することで、地震発生ポイントを 1 年ごとに集約させたチャートです。

その他のチャートに関する機能強化については ArcGIS Pro 3.2 新機能をご参照ください。

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