Sentinel-5P 衛星画像データを使った大気汚染モニタリング

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) は今も世界中で感染拡大が続いています。感染症という見えない敵との闘いにおいて、広域観測を得意とする衛星リモートセンシングでは何ができるのでしょうか。このブログでは、海外での事例と日本国内での衛星データを ArcGIS を使って可視化した事例を紹介します。

Sentinel シリーズ


欧州宇宙機関 (ESA) が運用する Sentinel というシリーズ衛星をご存じでしょうか?ArcGIS Living Atlas では Sentinel シリーズの光学衛星である Sentinel-2 のイメージ サービスが提供されており、“センチネル” という衛星の名前を耳にしたことがある方は多いと思います。

Sentinelシリーズ

Sentinel シリーズ ©ESA

Sentinel-5P 衛星画像による大気汚染モニタリング


Sentinel-5P は Sentinel シリーズの衛星の一つで、大気のモニタリングを主要ミッションとしています。Sentinel-5P が観測する情報の一つに、大気汚染の指標として利用される二酸化窒素 (NO2) があり、海外ではこのデータを使って大気汚染物質の濃度変化を可視化した事例が報告されています。

今回、ArcGIS Pro を使って日本周辺の Sentinel-5P データを読み込んで可視化を行いました。詳細は図のリンクからストーリー マップをご覧ください。

大気汚染のモニタリング

二時期の Sentinel-5P データの比較

今回の試行は3日分のデータのみ使用しているため、この結果だけで大気汚染を語ることはできませんが、データ量を増やすことによって精緻な変化を捉えられるかもしれません。

Sentinel-5P データは Copernicus Open Access Hub でデータの検索やダウンロードができます。過去に Sentinel-2 データの紹介記事などでも紹介したサイトです。

CopernicusOpenHub

Copernicus Open Access Hub

データの提供形式は、多次元ラスターデータの一つである netCDF です。多次元ラスターレイヤーについては ArcGIS Pro 2.5 の Image Analyst エクステンションにて機能強化が図られています。こちらも合わせてご覧ください。

ArcGIS Pro 2.5: Image Analyst エクステンションの画像解析新機能をご紹介します!

この機会に ArcGIS を使ったリモートセンシングに触れてみませんか?

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