ArcGIS Runtime SDK バージョン 100.8.0 をリリースしました

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ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.8.0 を 6 月 17 日に国内サポートを開始しました。

各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容


シーン ビューによるイメージ オーバーレイの追加

イメージ オーバーレイは画像の高速表示用に最適化されたオーバーレイです。シーン ビューで頻繁に変化する静止画像をすばやくレンダリングすることができます。たとえば、気象などの配信画像データを 1 フレームずつ高速に表示することによりアニメーションのようにレンダリングすることができます。

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シーン ビューによるイメージ オーバーレイの追加
( 出典:ひまわり 8 号リアルタイム Web – NICT のデータを使用 )

ポイント フィーチャ (2D) の動的レンダリングモードのサポート

マーカー シンボルでレンダリングされたポイント フィーチャ (2D) の動的レンダリングモードがサポートされました。これにより GPU の性能を生かしたなめらかな描画を実現することができます。

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マーカー シンボルを適用したポイント フィーチャ (2D) のレンダリング
(上段:静的レンダリングモード、下段:動的レンダリングモード)

モバイル マップ パッケージ、およびモバイル シーン パッケージでオンライン サービスをサポート

ArcGIS Pro 次期バージョン 2.6(国内サポート未定)を使用すると、ローカル コンテンツとオンライン コンテンツ (天気や交通情報など) を混在させたパッケージを作成することができるようになりました。ユーザーは、ネットワーク接続が利用可能な場合は、オンライン サービスを利用し、接続がない場合は、ローカル コンテンツで作業を続けることができます。

フィーチャとグラフィックスはシーン内のオブジェクトを基準にして配置

フィーチャやグラフィックスは、統合メッシュ レイヤーやビルディング シーン レイヤー、標高サーフェス、3D ポリゴンなど、シーン内のオブジェクトを基準にして配置することができるようになりました。

シーン ビューによるテキストレンダリングの改善

シーン ビューでのテキストのレンダリングは、SDF (Signed Distance Field) アルゴリズムによって大幅に改善されました。より効率的になり、より少ないリソースで使用できるようになりました。

ラスター レイヤーの識別

ラスター レイヤーに対してを実行することで、個々のラスターのピクセル値を取得することができるようになりました。イメージ サービスまたは、ローカルのラスター ファイルを参照しているラスター レイヤーに対してサポートされています。

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ラスター レイヤー識別によるセル値の取得 (DEM の標高値を取得)

Arcade 式を使用したポップアップのサポート

Arcade 式の機能を使用したポップアップをサポートするようになりました。たとえば、Arcade 式を使用して構成したポップアップを Web マップとして保存し、ArcGIS Runtime から Web マップを参照することで、Arcade 式で構成したポップアップを参照することができます。

各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容


実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。

ArcGIS Runtime SDK for Android

今回のリリースに伴うシステム要件等の変更はございません。

ArcGIS Runtime SDK for iOS

2D マップと 3D シーンは、Apple の Metal フレームワークを使用してレンダリングされるようになりました。これにより、多くのグラフィックスを表示する場合に、一部のデバイスではレンダリングのパフォーマンスが向上されました。

注意:Xcode は、macOS Catalina の iOS 13 シミュレーターのみ Metal ベースのレンダリングをサポートしています。そのため、マップとシーンは macOS Catalina の iOS 12 シミュレーター、または macOS Mojave の iOS シミュレーターのどのバージョンでも表示することはできません。これらの環境でアプリを開発している場合は、シミュレーターではなく実機でのテスト、デバッグをする必要があります。

ArcGIS Runtime SDK for .NET

ArcGIS Runtime Local Server※ もバージョン 100.8.0 がリリースされています。ArcGIS Runtime Local Server 100.8.0 を利用する場合は、ArcGIS Runtime SDK for .NET も同一バージョンをご利用ください。

※ArcGIS Runtime SDK for .NET で利用可能なオプション コンポーネントです。オフライン環境でジオプロセシング タスクを実行できる機能等を提供します。

ArcGIS Runtime Local Server での ArcGIS Desktop 10.x パッケージのサポートは非推奨となります。バージョン 100.8 は、ArcGIS Desktop 10.x パッケージをサポートする最後の ArcGIS Runtime Local Server のリリースになります。次のバージョンでは、ArcGIS Pro でパッケージを作成する必要があります。

本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート(英語)をご覧ください。

■関連リンク

ArcGIS Runtime SDK

・ESRIジャパン Web サイト:Android / iOS / .NET

・Esri社(米国)Web サイト:Android / iOS / .NET